「医学的に内臓脂肪を落とす方法」
水野雅登先生の「医学的に内臓脂肪を落とす方法」が上梓されました。副題は「1年で14キロ痩せた医師が教える」となっています。
ダイエット法を医師や管理栄養士に訊いて、「カロリー制限が大事!」もしくは「バランスの良い食事をしましょう」という答えが返ってくるのは、もはやお約束。なんの役にも立たないアドバイスです。
病気にならないための食事についても同じことで、「バランスの良い」という、なんの具体性もなく、聞こえだけ良いフレーズが繰り返されます。
しかし「医者の不養生」と言われるとおり、岐阜県保険医協会が実施した調査では、開業医の死亡時平均年齢が70.8歳だったとのこと。もちろんストレスが大きいということもありますが、バランスの良い食事が大事だと言っている本人たちが早死にしていたのでは説得力がありません。
筆者は多くの医師や管理栄養士と交流がありますが、栄養療法を取り入れた方は例外なく健康レベルが向上し、栄養の力を信じるようになり、同時にバランス信仰からも解放され、周囲に栄養療法を薦めるようになります。
「バランス」や「カロリー」に取りつかれて思考放棄していた状態からコペルニクス的転回を起こし、それまで盲信していた医学論文にも懐疑的になります。
ここでいう栄養療法とは糖質をある程度控え、タンパク質を増やし、良質の脂肪を摂り、ビタミンやミネラルをサプリメントで補給するというもの。その詳しい方法がこの書で解説されており、また専門用語は極力使わないように配慮されているため、多くの方が手に取りやすいものとなっています。
単なるダイエット本ではなく、水野先生の経験と治療成績、そして生化学的背景を基に書かれた「健康レベルを引き上げる」ための書でもあります。最終章には新型コロナ対策にも触れてあり、ダイエットの必要が無い方にも有益な情報がちりばめられています。