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初めて看取りをした日




介護福祉士になって一年目の冬。







はじめて

介護してたおばあちゃんが

亡くなった。







食事介助がぜんぜん上手くいかないおばあちゃんだった。





たまに目が合うと

髪の毛を引っ張るおばあちゃんだった。







会話ができた記憶はない。





でも大好きだった。








そんな彼女が亡くなったクリスマスイヴ。








わたしは業務を放棄して

2時間泣き続けた。





びっくりした。

朝ごはん一緒に食べたのに

お昼にはもういなかった。







他人なのに

なんでこんなに悲しいんだろうって

涙がどんどん出てきて止まらなかった。








そんな私を支えてくれた唯一の人が


別部屋の寝たきりのおばあちゃんだった。





いきなり泣きついた私の頭を

唯一動く左手でずっと撫でてくれた。




私があまりにも泣くもんだから

気づくと彼女も一緒に泣いていた。





「いつでもあなたの味方だから

わたしが守ってあげるから、

なんでも言ってごらん」って

言ってくれた。





私は理由も言えず、

ただただ泣いて彼女を困らせた。




介護福祉士として失格だったけど

あの時間が私を成長させた。









亡くなったおばあちゃんは

私に人生は終わるんだということを

身をもって教えてくれた。







だからこそ

自分の人生を最高に生きなさいと。







人生は一度きりなんて、

散々言われてきたけど

これほど実感できたことはなかった。







そして、

寝たきりのおばあちゃんは

未熟な私をずっと支えてくれた。

手足が動く誰よりも。







施設で介護を受けて生活をする人は

社会から見たら何も出来ない人に見えるかもしれないけど

支えているのは私ではなく、

いつだってずっと

おばあちゃん達だった。










なぜ、上条さんはそんなに介護を愛せるんですか?


と、よく質問されるけど




それは、


いちばん弱かったのは私

だったから。






介護でいちばん助けられてるのは私。








私に凄いねと言って

いつもヒーローにしてくれる

おばあちゃん。







はやくカタチにしたいな。



20171206-164424.jpg

 


 




次の日曜日は

さいたまのAEON MALLでトークショーです。




y.


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