運動したのに体重が増えた理由を真面目に考えてみた。

お役所仕事でも仕事をきっちりやってくれたら別にいいんですよね。
それすらもしてくれないのは大問題です。

・「運勢振り分け課」のお役所仕事のせい。

「課長! 大変です!」

「どうした?」

「今年分の運勢の振り分け作業から漏れた人間がいます!」

「何だと! またか!」

人間が一生のうちに得る「幸運」と「不運」の量は決められており、それを年ごとに振り分けるのが我ら「運勢振り分け課」の仕事だというのに……。

「振り分けから漏れた人間は……こいつか……大田というのか」

「はい、もうかれこれ半年ほど、良くも悪くもない日々を過ごしています」

「なんて濁った眼をしているんだ……
さあ早く、今までの運を急ピッチで与えるんだ!」

天界カメラをこの、大田という男に固定して様子をみつつ、これまで分の運を振り分ける。
厄介なのは、「幸運」、「不運」どちらも具体的な内容をこちらで決めなければならないということだ。

「大田は今……ゲームをしているな。よし、セーブデータを消去しよう。これで不運を消費できるぞ」

「わかりました……はい、セーブデータ消去完了!」

「大田の様子はどうだ?」

「大声を出しています!」

「よし、いいぞー次は……おっ、なんだ。誰かと電話でもしてるのか?」

「そのようですね。相手は彼が口説いている女性みたいです」

「よし、今すぐ失恋させよう。相手に『もう連絡してこないで』と言わせるんだ」

「了解! ……実行しました!」

「大田の様子はどうだ?」

「連絡先聞くのに半年かかったのに! と叫んでいます!」

「よーし! いいぞー失恋はかなり不運を消費させるからな。さてお次はと」

「どうやら失恋の勢いで『ひとりbarデビュー』する模様です」

「それならバーの店員を元キャバ嬢にして、事あるごとに客にドリンクをねだるようにしよう。それから二日酔いで三日寝込ませよう」

「不運のネタばかりがどんどん出てきますね課長!」

「お次は……なんだ、あいつジムなんて通ってるのか」

「憂さ晴らしの如く汗をかいていますね」

「よし、運動が終わって体重計に乗る時点であいつの体重、増やしとけ」

「もう無茶苦茶ですね! でも実行します!」

※運動前

※運動後

※まさかの2㎏増。

「これでだいぶ不運を消費したんじゃないか?」

「そうですね! お陰様で懲戒は免れそうです!」

「それとこれとは話が別だぞ! こいつ!」

「ひゃーっ」

……みたいなことがあったに違いないよ!

マジ何やってんだよ天界!

早く今までの幸運も振り分けてくれよ!!

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