いま話題になっているSNS『Mastodon(マストドン)』。アカウントを取って始めてみたけど、楽しみ方がよく分からない……という人も多いのでは? この記事では、マストドンの楽しみ方を紹介し、どんな風にマストドンが変わっていくかを予想してみたいと思います!
そもそも「マストドン」とは?
まずは知らない方のために、マストドンの簡単な概要説明から。
マストドンは、複数のサーバーに分かれている分散型のSNS。「インスタンス」と呼ばれるサーバーが存在していて、それぞれでアカウント登録が必要です。人気どころは
・mstdn.jp (個人が設立した日本人向けサーバー)
・pawoo.net (Pixiv公式サーバー)
・friends.nico (ドワンゴが運営しているniconicoユーザー向けのサーバー)
の3つ。好きなサーバーを選んで、コミュニティに参加する仕組みになっています。
機能はおおまかにはTwitterと同じ。「ツイート」が「トゥート」になったり、「リツイート」が「ブースト」になったりと呼び方に少し違いがあります。Twitterユーザーであれば、すんなりと使いこなせるでしょう。

▲マストドンのマスコットキャラクター。ゾウのようなマンモスのような太古の生物。
現在のマストドンの楽しみ方
まだ始まったばかりのサービスなので、ユーザーは楽しみ方を模索している段階。ですが、今の時点での楽しみ方をいくつか紹介していきます。
カオスな空気感を味わう
マストドンでは、参加しているユーザーの投稿がすべてタイムラインに流れます。ここがフォロワーの投稿しか流れないTwitterとの大きな違い。
中でも、日本人向けインスタンスの『mstdn.jp』は、わちゃわちゃとしたカオスな雰囲気が特徴。タイムラインを眺めていると、黎明期のTwitterのような空気感が漂っています。
また、Twitterの「~なう。」のようなマストドン用語もどんどんと出現中。ちなみに、マストドン用語のことは『象語』といいます。造語とマスコットキャラの象をかけているみたいですね。
主な『象語』一覧
「パオる」=マストドンをすること。
「牙生える」=草生えるのマストドンバージョン。
「大象牙不可避」=大草原不可避のマストドンバージョン。
「寝る象」=「寝ます」と同じ。「~する象。」で色んな使い方ができる。
「パクトゥー」=パクったトゥート。パクツイと同じ意味。
趣味が合う人同士で交流する
国内で利用できるインスタンスだけでも、優に100種類は超えています。趣味に特化したインスタンスや、ファン同士で集うインスタンスなど、どんどんと細分化していっているのが大きな流れです。
中でも、ラジオ局のニッポン放送が立ち上げた『Tuner』は、ラジオ好き同士で交流できるインスタンス。好きなラジオ番組を語り合ったり、リアルタイムでコメントしたりと様々な楽しみ方が生まれています。

▲「Tuner」のローカルタイムライン。ラジオ関連の投稿が多い。
閲覧注意などの機能が便利
マストドンには独自の機能で、投稿の一部を非表示にする「CW(Contents Warning)」や、画像を非表示にする「NSFW(Not Safe For Work)」があります。漫画やアニメのネタバレ情報をトゥートしたいときに便利です。

「CWボタン」を押すことで一部非表示が可能。上の欄に「閲覧注意!」や「ネタバレ注意!」と書いておいて、下の「今なにしてる?」に本文を書けば、下の部分は隠しておけます。

実際に作ってみたのがコチラ。「もっと見る」を押すことで、隠している部分を表示できます。CW機能を活用すれば、ちょっと変わったトゥートが作れそうですね!
これから生まれそうなマストドンの楽しみ方
ここからはマストドンがどのように変化していくのか? どんな楽しみ方が生まれるのか? を考察していきましょう。
500文字小説が続々登場する
マストドンは文字数制限は500文字。Twitterの140字よりも多く書き込めるので、星新一のショートショートのような作品を投稿する人が増えていくのではないでしょうか。ケータイ小説のように「マストドン小説」が確立されると面白いかも。
また、小説に特化したインスタンスが登場すると、今よりも読者とクリエイターの交流も深まっていきそうです。

▲神楽坂らせんさんによる500文字の小説『本の虫』。500文字の制限の中、予想を裏切るオチがあって面白い。
※検索欄で『@rasen@oransns.com』と検索すると、神楽坂らせんさんの過去の作品を読むことが可能。
企業のインスタンスが増えてくる
もうすでにPixivやニッポン放送など、企業が参入していますが、これから徐々に企業独自のインスタンスが増えてきそうです。
理由は2つあり、1つはインスタンスの立ち上げが簡単だということ。一からオウンドメディアを構築するのは手間がかかりますが、マストドンはオープンソースで公開しているので構築しやすいです。
もう1つが、効果的に宣伝ができること。自社に興味をもったユーザーを囲み込んでおけるので、コストをかけずに宣伝が可能です。
インスタンス間の行き来がしやすくなる
現在マストドンが抱えている問題として、インスタンス間の行き来がしづらいことが挙げられます。複数のアカウントを持っている人は、それぞれのインスタンスに別個にアクセスしなくてはいけません……。
4月25日に登場したのが、複数のアカウントをひとまとめにできるMastodonクライアントアプリ『Mastodon-iOS』。Android版のリリースはまだですが、これからに期待です。
ちなみに、マルチアカウントには対応していませんが、人気のクライアントアプリはこちらの2つ。
ニッチなインスタンスが登場し、より趣味に特化したものになりそう!
サスペンス小説好きが集まるインスタンスや、ダイオウグソクムシ好きが集まるインスタンスなど、よりニッチなものが登場していくでしょう。たくさんあるインスタンスの中から、自分の趣味に合ったものを選んでいく……Twitterよりも深くコミュニケーションがとれるSNSとして成長していきそうです。