そういう恵まれた環境があって良い選手が育つという事ですね。

池谷　昔からいる選手は、恵まれた環境になってきている事を感じていると思いますが、最近入った選手は分からないかもしれません。ふつうは夏暑くて冬寒いというのが当たり前のなか、うちのように冷暖房完備の体育館は少ないですから、他の体操倶楽部に練習に行ったときに気づくかもしれませんね。

そのようなIGCの運営もお忙しい中、今年7月の参議院選挙に民主党の比例代表区から出馬を表明されましたが、政界への進出を決意された動機やきっかけは何だったのでしょうか。

池谷　この池谷幸雄体操倶楽部を作ったのが10年前で、作ろうと思ったのは13年前になります。小さいころからプロフェッショナルな体操の指導をしていかないと、良い選手が育たないというのは分かっていたので、小さいころから高校生まで一貫して指導をし、ゼロから育てていくという事を自分の倶楽部でやりたかったんです。他にはやっぱり子供が身体を動かす環境ですね。身体を動かせる環境が少なくなってきたので、体操というスポーツで身体を動かすということと、その環境を提供するために倶楽部をつくりました。

この二つがどちらも関係してくるんですけど、外国では国が面倒を見て小さいころから選手を集めて強化をしたりしているんですけど、日本ではそれがいまやれてない状況で、現場のコーチや選手たちの現状も非常に大変なんです。身体を動かす場所にしても、治安が悪くなっている、交通量が増えている、そして身体を動かさなくても楽しめるものがたくさんできた、いろんな状況で、子供の運動量が非常に少なくなっている。それでいいのかと言うと絶対に良くないんですよ。だから、それを提供しなければいけないんですが、体操倶楽部をやっているだけでは限界を感じる。

他にも、自分の言いたかった「子供のころから身体を動かす重要性」を、全国民に、それも今小さい子供を抱えているお父さんお母さんにしっかりと伝えていきたいんです。一人と国では伝わる度合いが全然違いますし、身体を動かす場所を作るにしても絶対に国でやっていかなくてはいけない、そういう思いから今回の出馬を決意しました。