再び
ご無沙汰をしております。
と、書き出しが前回の更新のタイトルと同じになってしまいましたが、
金木犀の香りに、これまでの秋の記憶が甦る今日この頃、皆様に於かれましては如何お過ごしでしょうか。
自分は前回の更新以降、特にコレといったことは……
和雄と一緒に氣志團のGIGに遊びに行かせていただいたことと、誕生日を迎えてしまったことぐらいしかなく、
あとは少し身体を動かしたり、部屋で一人、本を読んで過ごしていたけど、
自分の場合、試合に負けた後というのは読書量が一気に上がる傾向にあるようで、昨夏のKO負けの後と同じように本を読む時間が一気に増え、一年ぶりの読書量になっています。
やっぱり試合に負けたときというのは、自分には足りないものがまだまだあるんだということを痛いほど思い知らされるワケで、
そしてその「足りないもの」は、決して格闘技に関するものだけでなく、一人の人間としての「足りないもの」なんだろうなと、
尊敬する偉大な先人のひとりであるノムさんの本にあった言葉、「人間的成長なくして選手としての成長なし」に影響を受けている自分は考え、
その「足りないもの」を補っていかないと、これ以上前には進めないという思いの強さと知識欲は恐らく直結していて、それが今の読書量に反映されているんだろうな。などと自己分析。
さらに自己分析を進めると、一年前も、このままじゃダメだという今と同じ気持ちになっていて、現状からの脱却のためのヒントを探そうと一生懸命に本を読んでいたんだけど、
以降の試合で勝っていくに連れ、喉もと過ぎれば熱さも忘れ、読書量は右肩下がりに。その中で読む本も、ただ楽しいだけの小説になっていったりと、時間の経過とともに、自分に足りないものを探そうという気持ちが希薄になっていたことにも気付きました。
試合に勝っても休むことなく、数日後には練習を始めることによって、慢心せず、勝って兜の緒を締めていたつもりだったけど、
やっぱりその「勝って兜の緒を締める」と、一年前や今のような、試合に負けた後の、自分に足りないものを探して補わなきゃという気持ちには、これはもう雲泥の差がありますね。必死さが段違いです。
と、そんなことに気付きながら色々と考えていて、前回の更新の最後には「色々と考えていたことなど、また書きます」なんて書いたんだけど、
本を読むことによって新しい知識やものの考え方に触れることも出来て、吸収できた(と自分では思っている)こともあったとは思うんだけど、
それが本当に自分のものになっているのかは分からないし、と言うか、そんな簡単に自分のものになる筈はないし、
その段階で知った顔をして書いたりしても、それって新しい知識を得たら誰かに話したくなるような、ただの一時的な自己顕示欲でしかないよな、と思ったり、
でも、特にこのBLOGを見ていつも応援してくれている人たちには、その辺りのことを書いてみても、更新が滞るよりはいいんじゃないかと思って書いてみても、
その書いたものを一晩寝かせてから読み返してみると、やっぱり違う、俺が書きたいのはこんなことじゃないと書き直し、
それをまた一晩寝かせて翌日に読み直してみると、やっぱり違うとまた書き直し、そしてそれも次の日になると納得がいかず……
と、そんなことを繰り返していたら、書き始めた頃には外に出る度に秋の記憶を甦らせてくれていた金木犀の香りも、もうすっかりしなくなってしまいました。そしてその間に、更新を待つコメントも複数頂戴しました。
それだけ滞った後のようやくの更新が、長いし、内容も面倒臭いしで、待っていてくれた方々には何だか申し訳ないんだけど、
でもそんな文章でも更新したってことは、これが今の正直な自分の気持ち、書きたかったことなんだろうな。
その『正直な自分』について、あと少しだけ。
先日、野木さんとご飯に行ったときに色々と話をして、その中で、正直な自分でいるということの大切さの話になり、改めて、俺もそうありたいと思いました。
例えば偉い人の前で、例えば好きな女のコの前で、相手に良い印象を与えたい、気に入ってもらいたいと思ったときに、そこで無理に自分を良く見せようとしても、そんな偽りの姿は分かる人には分かってしまう。
それに、そんな正直でない自分で関係を作ったり保つことができたとしても、それは本当の自分を認めてもらったことにはならないし、何だか自分で自分を否定していることにもなるんじゃないか。
だったらどんな相手にも、好きな女のコにも、正直な自分で接して、それでダメだったらもう仕方ないという潔さというかね、そういうものを持っていたいし、なればこそ、ダメだったときに「これでダメなら仕方がない」と思えるくらい、その『正直な自分』を磨いていきたい。選手としても、一人の人間としても。
PRIDE時代、煽りVで同じようなことを言ったことがあったけど、今回色々と考えて、野木さんと話をして、そしてまた色々と考えて、改めてそのことを強く思いました。
でもこれもね、PRIDE時代からずっとそう思ってきていたつもりでいて、野木さんの話を聞いたときも、「自分も常にそう思っていますよ」なんて思ったり言いたくなったりしたけど、いや、もしかしたら言っちゃったかもしれないけど、でも、よくよく考えてみると、改めてそう思ったってことは、
「そんなことくらい、私だって知っているさ」と言うのは簡単なことだ。だが、多くの場合、「忘れていたが、それは私もかつて知っていたことだ」という表現のほうが正しいのである。
という、最近読んだ本にあった一節が、見事に自分に当て嵌まっていたということに後で気付き、ちょっと反省しました。
なんて反省するフリをしながら、最近読んだ本にあった言葉を、知ったような顔をして最後に書いてしまったけど、
そんなちっぽけな自己顕示欲がまだまだあるのも、今の正直な自分であって、そんなダサさを見せながらもきちんと正直な自分で勝負できるよう、今後も日々精進して行かないと。
そして精進と言えば、
次はもう少し早くに更新ができるよう、そちらのほうも精進を……
と言いたいところだけど、そこは自分の更新意欲次第と、ここでもきちんと『正直な自分』で行きたいと思います。
って、これはちょっと都合がいいか。(笑)
長文駄文、ご精読ありがとうございました。