死ねないうさぎ
Photo:Satoshi Kitada
お久しぶり。千夜子です。
ブログもすべて、強制力のあるものをいまは避けているよ。
でも忘れられるのはとても怖いから、ブログを書きます。見てくれてありがとう。
昔、夜の店の女の子が家に転がり込んできたことがあって。
年上の危うい人で。
男に入れあげてわたしのお家に逃げてきた。全部捨てて逃げてきた馬鹿な人。かわいかった。
わたしが寝ても朝までどこかでお酒を飲むかわたしの家のうんと狭い台所で飲んでいた。うんとかわいくて迷惑がかかっていつも切羽詰まった顔をしたお姉さん。
もうおぼろげな記憶だけど。
「うさぎは怖いと自殺するのよ。酷い目に会う前に死ぬのよ。わたしもうさぎになりたい。」
朝、寝ぼけたまま台所に向かったわたしに彼女はよく言っていた。
細いうなじ、きゅっと絞めたらすぐ楽になれそうな 死ねないうさぎ。
さいきん、肌荒れがわたしの顔を覆うようになって、うさぎの話を思い出した。
みんなどんな悩みを持ってるか知らないけど、きっと死ねないうさぎで、でもそれ自体がその人の価値であるわけでは無いのかもしれない。
肌が綺麗なことが、人として綺麗なことでは無いように。
でもやっぱり人は外見を信じてしまうわけで、わたしは鏡を割って泣いたり、薬をぶちまけたり、もっと不幸な兎を探してしまうわけで、
わたしはどうにかしてこの世界でうんとうんと綺麗なものだけを見せたいから、もう少し強くなりたいなと思う、夏です。
もう少しじゃないね、いっぱいだね。
またね。待っててね。
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