ゲイビデオモデルからAV女優になった話11
→ゲイビデオモデルからAV女優になった話10
……と、まあ、そんな感じで
ゲイビデオ出演を繰り返していた
僕だったのですが、
前も書いた通り、ゲイビデオは需要が
少ないため、撮影は月に1~2回
あるかないかという感じです。
一回の出演料は3~5万ですから
MAXで月10万円の稼ぎ……
そんな額では生活はできないですよね。
そのとき22歳になっていた僕は
ゲイビデオ以外ではコールセンターで
アルバイトをしていました。
コールセンターは時給がいいので
週6とかで働いていれば、
月収20数万にはなります。
ゲイビデオで臨時収入もあるので
まあ、生活は安定していました。
しかし……起こってしまうのです。
東日本大震災が
2011年3月11日、
その日僕はいつものように
コールセンターで働いていました。
始めは軽く揺れた程度でしたが、
次第に普段感じる地震の揺れと、
今回のものは明らかに違っていると
社内の全員が感じ取りました。
先輩「おいおいおい、デカいデカい!」
社員「みんな机の下に!」
バイト「申し訳ございません、お客様
地震のため一旦お電話切らせていただきます」
上司「おい、誰かニュースつけろ」
混乱しながらも、各々対応しながら
地震が治まるのを待ちました。
やっと振動が止むと、仕事を再開します。
僕(すごかったな、いまの
震度4~5くらいあったんじゃない?)
そのときの僕はまさかそれが
東北から来てる揺れだなんて
思ってもいませんでした。
しばらく仕事を続けていると、
上司が全員の稼働を止めて、
こんなことをいいます。
そんときの僕らの反応ですか?
こんなでした。
全員「いやぁっっほぉぉぉぉおお!!!!!」
不謹慎だと思われるかもしれませんが、
本当にそのときは誰も大災害が起こってる
なんて気づいてなかったんです。
先輩A「青木くん(僕の本名)飲み行こうぜ!」
僕「いいっすね! なんか
臨時休校みたいでワクワクしますね!」
そんなことすら言えちゃう空気でした。
で、先輩やバイト仲間と飲みに行って、
そろそろ帰ろうとしたとき、電気屋の前を
通りがかったんです。
そしたら、展示されてるテレビに
津波に対する警戒地域とかが
臨時ニュースで流れていて、日本列島の
地図に危険とされる場所が表示されていました。
僕「先輩……これ……」
バイト仲間「なに危険地域じゃないとこ
ほとんどないじゃん……。」
先輩「沖縄真っ赤で表示されてる……」
この先輩の出身は沖縄県でした。
僕(なんだろう……この感じ……)
僕の中で嫌な予感が広がっていきました。
翌日、バイト先に出勤すると、
上司が朝礼でこういうんです。
上司「次回再稼働はこちらから連絡するので
それまでしばらく皆さんお休みをしてください」
僕(まあ、直接被害があったわけじゃないし、
2~3日くらいですぐにバイト復活するだろ……)
しかし、この考えは甘かったのです。
僕の当時の担当業務は電話営業でした。
電話で新しいサービスや商品を
顧客に勧めるという仕事ですね。
そして、当時コールセンターで
扱っていた商品はN〇T関連のものでした。
震災のときは電話はライフラインです。
ライフラインを取り扱う業者が
この非常時に営業をかけるわけにはいかない。
そういう判断だったわけですが、
なんとこのバイトできない期間は
約2ヶ月続きました。
僕は震災から半月くらい経ったころ、
ようやく焦り始めます。
僕(バイトできなくなってから
約15日間……いまから新しいバイトを
探しても家賃すら払えない……)
僕(このままでは社会的に死ぬ……!)
頼れるのはゲイビデオしかありませんでした。
僕「『なんでもいいので仕事ください』……と」
そう、朝倉さんにメールを出しました。
すると、すぐに電話がかかってきたのです。
prrrr……ガチャ
朝倉「あ、カオルちゃん?
ちょうどよかった。
頼みたい仕事あるのよ」
僕「ホントですか?
なんでもやります!」
朝倉「今度女装モノ出てみない?」
僕「女装モノ……」
僕(女装モノっていっても、ゲイビの
女装モノってノーメイクにカツラもかぶらず
服だけ着たゲイ向けだよな)
僕「それはいいんですけど、
ゲイ向けの女装モノはいままでも
撮ったことありますよね?」
朝倉「あ、今回はそういうんじゃなくて、
本格的に女の子に見える女装してもらいたいの」
僕「え、ゲイビデオでですか?
男が好きな人には需要ないんじゃ……」
※一般の方は結構同一視しがちですが、
ゲイの世界で「男好き」と「女装した男好き」は
明確に区別されています。
朝倉「だから、ゲイビデオでは出さないよ」
僕「どういうことですか?」
朝倉「それがね、最近一般のAVメーカーの
S〇D(伏字の意味がない)から、
オファーがあってね」
朝倉「いまノンケ向けのAVの世界では
女装モノって流行ってるらしくて、でも、
一般のAVメーカーは男の子の出演者の
入手経路がないじゃない?」
朝倉「だから、出演者の調達と製作は
ゲイビデオ会社がやって、販売は
一般のAVメーカーがやるって
そういう話みたいね」
つまり、わかりやすく図にすると
こんな感じです。
ちなみにこういう関係性を
製造元と販元といったりして、
AV業界ではよく見る構図です。
※正確には製造元と発売元なのですが、
業界内ではごっちゃにして使われています。
一般でいう販売元は『流通』とかって
呼んでますね。
朝倉「カオルちゃん中性的な顔してるし、
本格的な女装モノ撮るなら向いてるかなって
思ってたところだったのよー」
向いてるもなにも、僕の男性とのセックスの
きっかけは女装だったので、むしろ
そっち側の人間です。
僕は食い気味に答えました。
僕「やりたいです……! ていうか、
僕元々女装癖ある人なので、むしろ
そっちのほうがいいというか……」
朝倉「そう? なんか参考に
写メとかある?」
僕「あります! えっと、
ウィッグだし、化粧もそんな
完璧ではないですけど……送ります!」
一旦電話を切って、朝倉さんに遊びで
女装したときの写メを送りました。
そのときの写真がこちら。
(女装初期の写真は恥ずかしいですな……)
数分後……
朝倉「いいじゃない! さっそく明日から撮影始めまショ」
僕「……はい!」
こうして僕の男の娘AV女優の道が
スタートし始めたのです……。
最近の画像つき記事
-
意見陳述
-
ゲイビデオモデルからAV女優になった話36
-
「適正AV業界はクリーンです」運動への抗議に関連した2月23日のツイートと3月6日のツイートをまとめました
-
ゲイビデオモデルからAV女優になった話35
-
AV新法による差し止め請求の途中結果につきまして
-
ゲイビデオモデルからAV女優になった話34
-
AV新法による差し止め請求が終わりましたことをご報告いたします
-
AV新法による僕のAV全削除に向けて途中経過報告ツイートまとめ
-
昨日行った伊藤和子弁護士とのやりとりについてと、今後の行動につきまして
-
世間の皆さまと業界の方々へ【適正AV業界が抱える問題】とAV新法改善に向けて元AV女優である僕からの改善案についてご提案
コメント (0件)
現在、この記事へのトラックバックは受け付けていません。
コメントする