ANAはどうするのKANA?
仕事上、飛行機に年間最大140回。体調を崩した現在でも年80回以上は乗ります。
どうも、奥田健次です(>_<)
パートタイム教授やってます。軽井沢で学校をつくってるところです。
おれの予想に過ぎませんけどね、近々、ANAは特別な会員へのサービスを改悪するんじゃないかと。
まず、破綻したJALがやりましたね。おれ、JALもANAも最上ステイタス(ダイヤモンド)だったんですけども。JALが大幅な改悪をしたので、ほとんどJALには乗らなくなりました。だから、今はANAだけダイヤモンドで、JALはグローバル会員だけ。
大幅な改悪とは。
アップグレードポイント廃止というやつです。
アップグレードポイントは、2012年度JMB FLY ONステイタス達成会員(積算期間2011年1月~12月)へのポイント提供をもって終了いたします。 2012年度に発行されたアップグレードポイントの有効期限は、2013年3月31日(ご搭乗日)までとなります。
(JALマイレージバンク・ホームページより)
この時点で、JALは「見せかけだけのメジャー航空会社」となったとも言えます。
それでも、いくらか縮小したとはいえ路線網は国内メジャーだけあって、特別な会員を失っても公共交通機関として利用客は確保できるわけです。
一方、ANAですが。
JALが破綻した後、唯一の国内メジャー航空会社に成ったけれども、だからって就航路線をそれほど拡大できたわけでもない。ANAだけが利用の多い客への「アップグレードポイント」を維持した状態になっているわけです。
おれ、JALがそれを止めた時点でANAもいずれ止めるんじゃないかと思ってましたよ。
航空会社のサービスは囚人のジレンマです。JALがサービスをやれば、ANAもやんなきゃならん。ANAがやってるサービスを、JALは先に止めました。そうすると、ANAもそれを継続する意義もコストもかけられん、という理屈です。
来月、集英社から出版される新書の中に、この仕組みを心理学的、経済学的観点から書いています。宣伝ですが。
そろそろANAもやるんじゃないかという予想を強めたのは、最近、ANAの時刻表に「ご利用の多いお客様」へ向けたステイタス説明のページが無くなっているのに気づいたから。先月のにも、今月に出た12月中旬までの時刻表にも載っていません。とうとう、10月の機内誌にも「ご利用の多いお客様」に向けて誘いかけるページの掲載がなくなりました。
そろそろ改悪を発表しようかなというときに誘うのは、さすがに企業倫理的にいかんでしょうからね。
とまあ、ここまでは心理学的、経済学的な予想、プラス広報活動の変化による、ただの予想ですけどね。個人的には、外れて欲しい予想です。ANA、がんばれよと。破綻したJALにお付き合いするんじゃねえよと。まあ、しかし経済学的に「がんばれ」は通用しませんからね。ANAまで破綻してはいけませんし。
ANAまでアップグレードポイント廃止となると、LCCとの差がどんどん縮まるでしょうね。んで、なおかつ海外への出張についてはANAのホームページからではなくて、海外の航空会社のホームページから直接購入する(ANAはコードシェア)客が増えるかもね。円高やし。
これで、また囚人のジレンマに陥りますよ。JALも息を吹き返してきたしね。上級ステイタスサービスが充実している海外の航空会社がちょっと頑張れば、将来的にANAはそれらの客を失う可能性もありますからね。なんとも悩ましい。
改悪されるときは、逆に「こんな新しいサービス、始めましたー!(みんな、こっちに注目ー!)」ってこともやるんですが、かえってアホらしいわって見抜かれます。改悪によって「怒り」や「失望」が起きる原理も、新書に書いてあります。
ほんまは、つっぱり続けて欲しいけどねー。むしろ、JALの路線を奪い取るくらいで。ANAは税金を使わずに乗り切ってきたんやから、政府の後押しがいるやろうに。
マイレージやポイントって、トークンエコノミーシステムと同じです。
大げさにいえば、われわれの言う「お金」っていうのすら「日本銀行券」なのです。動かす人のさじ加減で、野口先生で買えたものが福沢先生を出さないと買えなくなることだってありえます。というか、そうなるよと言ってきましたが。
航空会社のしのぎ合いから、こんなことまで見えてきます。
11月に集英社から発刊予定の行動分析学の本、どうぞお楽しみに。宣伝ですが。
奥田健次
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