さくら。
一昨日。
私の妹分が自ら命を絶ちました。
ついこの前まで明るいラインくれていたのに。
私が歌舞伎町でミックスバーを経営していた時、従業員がごそっと辞めて、一番大変だった時代を支えてくれた子でした。
いつも明るくて、みんなに好かれていた桜。
セクシャリティはMTF、ニューハーフと言われるジャンルだったけど、疑う余地がないくらい心底女子だった桜。
どんなに忙しくても笑顔で店に来てあたしを助けてくれた桜。
芸能で頑張るんだと今年連絡くれたのに。そんな話をご飯食べながらするの楽しみにしてたのに。
桜、あたしは死んだ人間に説教する気はない。でもお前の死が無駄にならないように、あたしははっきり言う。
寂しかったんだよね。不安だったんだよね。また好きになった人が、桜を好きと言ってくれた人が離れてしまうかもしれない悲しみに勝てなくて試したくなったんだよな。そうだろう?
その気持ちはよくわかる。あたしも数年前までそんな気持ちにしょっちゅうなるくらい、寂しがりやで強がりで、永遠の愛を信じることが出来なかったから。
でもな、それは逃げるだけのことなんだよ。受け止めて、超える力がお前には絶対にあったはずなんだ。
いいか、桜。
喪主をしっかり果たしたお前の妹はこれで1人になっちゃったんだ。
気丈に立ちながらも、参列者に頭を下げ続けながら、いっぱい、泣いてたよ。
お前の甥っ子は、
「さくらいなくなっちゃうの?こんなにみんな泣いてるのに?」
って、パパに聞いて困らせてたぞ。
参列者のほとんどが号泣して、桜、桜ってお前の頭を撫でてたよ。
あたしだって、こんなに嗚咽が出るほど泣いたのはいつぶりくらいか。
お前は不安になんかなる必要がないくらい、本当はめちゃくちゃみんなに愛されてたんだ。
それはお前の人徳だったんだよ。
桜の体験を通して、私はみんなに言いたい。
自ら命を絶って解決することなんて、ひとつもない。
誰もひとつも得もなければ学びもない。
残るのは、ひたすら、悲しみだけです。
こんな死を何度か見送ったから言える。
残るのは、行き場のない、深い、悲しみだけです。
済んでしまったことを掘り返しても仕方がない。桜は帰ってきてくれないからね。
でも、桜、これで気づけたのかな。。。