セーヌ川の少女の話
ライフセービングの講習会でも使用しているレールダル社製のCPR用トレーニングダミーには
悲しい少女の話が背景にある事を我々は忘れてはならない…
20世紀初頭、パリのセーヌ川で少女の遺体が引き上げられました。危害を加えられた痕跡もなく、それは自ら命を絶ったものでした。
少女の身元は確認されなかったため、当時の慣習にのっとり「デスマスク」が製作されました。そのうら若き少女の繊細な美しさとうっすらと浮かべた微笑が、彼女の死に謎を残しました。
このミステリーについて、様々な憶測がなされ、ロマンティックな物語が数々出版され、彼女のデスマスクとともにヨーロッパ中に広がっていきました。
後に、口対口の人工呼吸法を実用的且つ効果的に教えるためのトレーニングマネキンを開発しはじめたアスムンド レールダルによって、「セーヌ川の少女」は、再び脚光を浴びることになりました。彼は、この少女の早すぎる死に胸を痛め、悲劇がくりかえされないようにと、心肺蘇生訓練用マネキンに少女のデスマスクを採用。「レサシアン(製品名:レサシアン)」と名づけました。
実物大の人体模型があれば、救急救命を学ぶ上で見た目にも生体に近づくことができ、学生にとって励みになるだろうと考えたからでした。
2008年、レサシアンは50回目の誕生日迎えました。
「セーヌ川の少女」から生まれたレサシアンは現在、世界中で何100万人もの近代蘇生の救命テクニックを学ぶ人々、救われた人々の”生命のシンボル”となっています。
「生命のシンボル」…
こういう話は我々ライフセーバーもきちんと伝えていかないといけないですね。
講習会でもたまに乱暴に扱われてしまう事もあります。
命の教育に携わる者としても、責任を持って今後講習会を開催するように心がけます。
※因に先日載せたダミーの写真はまた違う会社のダミーです。
それぞれ仕様も違います。
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