解離性同一性障害
相変わらず雲の多い神戸です。今日も厳しい寒さのなか、15,000歩ほど歩いてきました。
今日は節分です。スーパーや寿司店では、恵方巻きを求めている人でどこも賑わっていました。関西発祥の縁起物ですが、私が子供のころは無かった風習ですね。すっかり全国的になって、洋菓子屋さんも恵方ロール等で便乗に必死です。
そんな節分は私たち夫婦の結婚記念日でもあります。今日で18回目となります。正式なお祝いはバレンタインデーと兼ねてどこかで食事をする予定ですが、せっかくの今日ですから少し足を伸ばして、久しぶりにファミレスでランチをしました。
これはアサイーのサラダです。
そしてランチセットのカレーです。お祝い気分でファミレスでの楽しい時間を過ごすことができました。ケーキでも買って帰ろうとお店を覗いたのですが、先ほど書いたように恵方巻き関連のお菓子が主流。また別の日に気に入ったケーキを買うことにして、今日は自宅に戻ってきました。
さて、またまた本日読了した本の紹介です。
『プリズム』百田尚樹 著という本です。
『永遠の0』を読んで感動しましたので、機会を見つけて百田さんの作品をできる限り読破しようと思っています。百田さんは常々言っておられることがあります。同じジャンルの小説は絶対書かない。出版して重版しなければ、それで作家をやめる。
その言葉通り、この小説は『永遠の0』とはジャンルの違う恋愛小説です。だから涙を流すことはありませんでしたが、とても興味深くて引き込まれてしまいました。なぜなら主人公の女性が愛した男性は、解離性同一性障害、つまり多重人格者だったのです。
ハリウッド映画ではよくテーマになる多重人格者。『真実の行方』というリチャード・ギアが弁護士役をした映画があります。エドワード・ノートン演じるアーロンという青年を弁護するのですが、彼を多重人格者と認めさせて無罪を勝ち取ります。しかしラストで映画を観ている観客はアーロンが演技していたと知る、とても恐ろしい映画です。その時に、私は初めて多重人格者という存在を知りました。
この小説はそんなおどろおどろしい犯罪は登場しませんが、やはりその男性は子供のころに親から虐待を受けています。そのあまりにひどい仕打ちによって、人格を分離せざるを得なかったという設定になっています。主人公の女性と主治医が関わることで、物語の最後に男性の人格はひとつに統合されます。
発病時は12人の人格が存在していましたが、主人公が出会ったときは5つの人格でした。ところが困ったことに、その女性が愛してしまったのは本人から分離されて、やがて統合して消えていくべき人格だったのです。全く別の人格をもつ多重人格者ですから、その人格が消滅することは、愛する人間が消えてしまうのと同じことになります。女性はそのことで苦しむことになります。とても面白い設定で、百田さんが相当勉強されたのがよくわかる小説でした。
私たちは自分をひとつの人格を持った存在だと信じています。でも、果たしてそうでしょうか? 感情的になったとき、自分でも驚くような人格が姿を見せることがあります。もしかしたら私たちと多重人格者との違いは、思っているよりも小さなものなのかもしれません。そんなことを考えさせられる小説でした。
さらに感じたことがあります。
解離性同一性障害の場合は、ひとつの肉体を複数の人格が共有します。でも面白いことに、それぞれの人格は自分が背が高いとか低いとか、違った概念を持っているそうです。つまり私たちの普通の感覚と、なんら変わりがないように思うのです。何が言いたいかといいますと……。
私たちはたった「ひとつ」のものから分離して、自分が独立した人格だと思い込んでいるだけではないかと感じました。自我がそう思わせているだけだと。地球上に何十億という人間が存在し、数え切れないほどの動植物がいます。それら全ては、たったひとつではないかと。「全てはひとつである」ということを、違った角度から感じされてくれる小説だと思いました。
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