知ることは面白い!
今日も寒いですね。うっすらですが、今朝は六甲山に粉砂糖のような雪が積もっていました。それでも日が長くなってきました。午後5時前の今でも、大阪には西日が当たっています。
今日の午前中は四国で大きな地震があったので驚きました。震度が5強だったとか。神戸は震度1〜2程度でしたので、妻は気付きましたが私はわからなかったくらいの揺れです。大きな被害がなかったようで良かった、良かった。でも余震の可能性があるそうですから、四国の方は心配ですね。
さて、今日読了した本の紹介です。
『江戸のお金の物語』鈴木浩三 著という本です。
著者は経営学博士でして、江戸時代のお金について書かれた本です。ここのところ『武士の家計簿』や『天地明察』、あるいは田沼意次を描いた『星雲の梯』という本を読んでいましたから、江戸時代のお金事情が気になっていました。そのあたりかなり細かく解説されていて、とても勉強になった本です。
貨幣を支配する者が国家を支配するという図式は、江戸時代には確立していたようです。徳川家康は関ヶ原の合戦で勝利した段階で、まだ幕府を開く前から江戸において貨幣の鋳造を仕切るようになっていました。貨幣経済が浸透してきたのを理解していたのでしょう。
江戸は金遣い、大阪は銀遣いと言われていたそうで、関東と関西では使っている貨幣が違いました。金貨、銀貨、そして銅で作られた銭の三種の相場があって、それぞれが現在の外国為替のように取引されていました。江戸幕府はそうした価値の違いを利用して、利潤を稼ぐこともやっていたそうです。
インフレ誘導やM&A、レバレッジや先物投資等、江戸時代だと思えないようなことが行われていたそうです。市場の原理に委ねるという、資本主義の原型が江戸時代には産声をあげていたのでしょう。こういう本を読んで時代劇のドラマを見たり時代小説を読むと、さらに面白いと思います。勉強をしていない著者の作品の間違いに気がつくかもしれません
例えば「鼠小僧」というキャラがいます。悪どい儲けをしている金持ちから千両箱を盗んで、民衆にバラまくという義賊です。金貨1枚が1両ですから、千両箱は千枚の金貨が入っています。これは相当の重さとのこと。どれだけ力持ちであっても、千両箱を抱えて屋根を自在に逃げ回るのは不可能だそうです。
さらに金貨を庶民にバラまいて、貧しい暮らしをする人が狂喜乱舞する場面があります。あれも実際はあり得ないそうです。その時代は身分によって使う貨幣は決められていたとのこと。貧しい庶民は銅で作られた銭で日常の買い物をしていたのです。銭形平次が投げる寛永通宝ですね。
だから金貨を手にしても、それを銭に両替する必要があります。そもそも庶民が金貨を持って両替を依頼しても、まともに取り合ってもらえません。どこでその金貨を盗んだのかと追求されるのが関の山です。どうせバラまいてくれるのなら、銭のほうが良かったのですね。
学校では学べないことはたくさんあります。こんなこと歴史の授業で教えてくれませんものね。今まで知らないことを知るのは、とても面白いことです。ある分野について新しい知識を手にすることで、今まで知らなかった世界が見えてきます。せっかく自由に勉強できる環境があるのですから、少しでも多くのことを知っていきたいと思います。知ることは面白い!
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