人生は素晴らしいものか、それとも悪い夢か
自宅にいる日は、外の気配を感じることなく1日が終わります。それだけ暑いとか寒いとかを意識することのない、過ごしやすい季節だということででしょう。
昨日の散歩中に撮影した萩の花です。この白い花も綺麗ですね。
そういえばバタバタして意識していませんでしたが、いよいよ来月の16日はエルトン・ジョンの大阪城ホールでのライブです。アリーナ席をゲットできていますから、とても楽しみにしています。あの美しい歌声を久しぶりに生で聴くことができます。
ぼちぼち楽曲の復習をしておかなければ。今回のツアーのセットリストはわかるのかなぁ? まぁ有名な曲はほぼ把握していますから、後半からアンコールにかけては十分に楽しめるでしょう。コンサートは一昨年にKISSとポール・マッカートニーのライブに行って以来ですから、かなりワクワクしています。
さて、昨晩読了した本です。
『ピアニシモ・ピアニシモ』辻仁成 著という本です。
辻さんの追っかけを始めて何冊か作品を読みましたが、この作品は私にとって今のところ「ベスト1」と言っていいほど、素晴らしい作品でした。失礼ですが、まさか辻さんがこのような作品を書かれるとは、想像もしませんでした。それほど感動したのです。
この作品のテーマは、
『人生とは誰もが言うように素晴らしいものだろうか、それとも悪い夢だろうか』
ということです。意味深ですね。そしてこのテーマが語っている通り、現実と幻想が複雑に交錯した作品です。辻さんのデビュー作が『ピアニシモ』という作品とのことで、この作品は続編のような構成になっているようです。
読み始めてすぐに、これってオカルト? それともホラー? そんな始まりでした。なぜなら中学一年生のトオルという主人公には、ヒカルという存在がいつも一緒にいます。それはトオルにしか見えない存在でした。物心ついた頃からいつも一緒にいます。まるで取り憑いた幽霊のように。
そしてトオルの通う中学校は、3年前に女子生徒が行方不明になり、殺害されてプールで発見される、という事件がありました。さらにトオルと同じ入学したての男子生徒が行方不明になり、しばらくして遺体で発見されます。この中学校は、同一犯の犯行と見られる連続殺人の現場なのです。3年前に殺された女子生徒の幽霊が校内をさまよっている、という噂が流れます。トオルのクラスメイトにも目撃者がいました。
もうひとりの重要人物にシラトというトオルの同級生がいます。スカートをはいて通学する不思議な男子生徒でした。しかしシラトと仲良くなったトオルは、その秘密を知ります。彼の正体は性同一性障害を抱える女子生徒だったのです。体は女性ですが、心は男性でした。そして殺された女子生徒は、シラトの従姉妹でした。
トオルとシラトは犯人を見つけようとします。そこにトオルにしか見えないヒカルも関わってきます。ところがトオルが犯人に襲われます。そのことがきっかけで、中学校の地下の奥深くに、もう一つの中学校があることを知ります。現実世界の幻影のような場所で、死者だけのクラスもあります。そこはヒカルが『灰色』と呼んでいる、人間の心の闇を象徴していました。その『灰色』こそが、連続殺人事件の真犯人だとトオルは知ります。
『灰色』とは何か? ヒカルの正体は?
最後まで全く予想できない、夢の世界のような物語でした。
『灰色』を牛耳っている存在が、シラトを助けにきたトオルに語るセリフが印象的です。
「この世界は今、お前の頭の中にある。世界なんてものは幻にすぎないのかもしれない。ヒカルも、灰色も、キリシマも、そして死にかけているシラト・ユウキさえも。何もかも、すべての事態は、お前が生んだげ幻影の中で起こっている、と言えるだろう。まさにお前が想像して作り上げた宇宙だ」
もう一つ。
「世界がこのように存在するのは、この世界を想像している者がいるからで、それは神なんかではなく、例えばお前なのだ。(中略) お前の親も友人らも善も悪も世界中で起こっている、ありとあらゆる出来事は、ただお前という一人の人間の頭の中で想像され、生み出された世界を指している」
う〜ん、素晴らしいセリフです。このセリフを読むだけでも、この物語を手にした価値を感じるほどです。
さて、あなたはどう思いますか?
人生は素晴らしいものか、それとも悪い夢か。
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