人間の心の裏は怖い
少し前に10月になったなぁと感じていたら、もはや下旬に突入してきました。飛ぶが如く、という表現がぴったりなほど時間が早く過ぎ去ります。そして今日も見事な晴天でした。
昨日の散歩中に撮影した写真です。とても美しい花です。でもなぜだか私はこの写真を見ていると、『エイリアン』という映画を思い出してしまいます。植物に葉はつきものですが、歯があれば怖いですね。ちょっと想像してしまいました。綺麗な花なのに、ごめんね〜〜!
今日は月曜日の平日です。朝から小学生たちが通学する賑やかな声が聞こえていました。ところがマンションの隣の部屋の小学生が自宅にいる様子。それどころが同じ学年の友人が、まるで休日のように訪問していました。
運動会等の行事が土日にあって、月曜日が振替休日になるのはわかります。でも学年によって授業があったり無かったり、というのはあるのでしょうか? 私は子供がいないので、最近のそうした学校事情がよくわかりません。土曜日も半日は通学していた世代ですからね。
そんな子供たちの世界を垣間見る小説を昨晩読了しました。
『ソロモンの偽証 第2部 決意』宮部みゆき 著という本です。
もう大変。面白すぎです。昨晩にようやく第2部を読了しました。その後すぐに第3部を読み始めまして、現在は270ページまできました。いよいよエンディングまで500ページを切りました。2,100ページに亘って繰り広げられてきた物語も終盤に入ってきました。
第1部では中学2年生の遺体が校内で発見され、自殺だと断定されます。ところが屋上から突き落とされるのを見た、という告発文が出回ります。さらにマスコミが嗅ぎつけたことで、大騒ぎになってしまいます。不幸なことに、その告発文に関わったと思われる女生徒が不可解な交通事故で亡くなります。
この第2部では、そんなモヤモヤした状況を打開するために、藤野涼子という女子学生が立ち上がります。校内裁判を実施することで、真実を明らかにしようとするのです。検察、弁護人、判事、そして陪審員を募り、その裁判の実施にむけて奔走します。裁判までの過程が描かれたのがこの第2部です。
第1部の時も書きましたが、最終的な私の感想は全てを読了してから明らかにしたいと思います。この第2部も本当に読み応えたがありました。こういう小説に関わってしまうと大変です。続きが気になって、夢を見そうなほど没入してしまいます。ここ数日、頭の中は城東第三中学校のことでいっぱいになっています。
1部と2部に共通していること。それは人間の心の裏側があぶり出されていることです。自殺として終わるはずなのに、告発文によって生徒たちの心が乱れます。あの不良学生なら、そうしたことをやりかない、という強い思い込みです。普段は表に見せませんが、そうした生徒たちの心の裏が爆発します。
さらにこの告発文を書いた女生徒は、その不良連中からいじめを受けていました。ですから単なる復讐のはずでした。学校では素知らぬ様子を見せながら、心の裏ではそうしたチャンスを伺っていたわけです。しかしその執念は本当に恐ろしくて執拗です。
そして教師たちも、そうした人間の心の裏表に翻弄されていきます。担任教師に届いたはずの告発文がマスコミにリークされたのは、隣人の妬みから発生した逆恨みでした。その結果この担任教師は生死の境をさまようほどの重症を負うことになります。人間の心の裏の怖さを、ひしひしと感じさせる物語です。
その恐怖は、宮部さんの人物描写力の素晴らしさに尽きますね。多くの人物が登場するのですが、その必然性に無駄が一切ありません。それぞれが完璧に必要とされる人生とキャラを背負っています。その計算され尽くした構成に、ただただ脱帽するしかありません。
第3部では裁判が開始されています。真実を知りたい想いで始まった子供たちの校内裁判が、予想もしなかったとんでもない結論を導く雰囲気に満ちています。ドキドキしています。不良学生の弁護人を引き受けた、神原和彦という他校の生徒が気になる存在です。天才であり、怪しくもあります。
今夜も眠るまでは、この本を手放すことができなさそうです。私も真実を知りたい〜〜〜!
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