テロリストと交渉するか否か
今日の神戸は完全に冬です。昨夜から今朝までゴウゴウと六甲おろしが吹き荒れていました。外に出ると、その風の冷たいこと、冷たいこと。
2日前に着ていたシャツよりも厚手を出し、ジャケットも同じく厚手にしました。妻はダウンジャケットを用意していました。買い物に行こうと外に出て、妻のほうが正解だとすぐに悟りました。もう紅葉どころではありませんね。
今朝の六甲山です。見ての通り、全く紅葉していません。いつもならこの時期には鮮やかな赤や黄色で彩られています。この寒さで一気に冬枯れが進行しそうですね。
でも今日は朝からホットな場所に行ってきました。いつも行くスーパーが『創業祭』なるものを開催しています。生鮮品が充実しているスーパーです。地元の料理屋さんが利用しているくらい良質な商品が置かれています。25日〜27日がそのお店の『創業祭』なのです。
ものすごい、人、人、人。だって驚くほど安値の商品が並んでいます。7つあるレジは全て解放されていますが、長蛇の列。店内はまともに歩けないほどの混雑です。皆さん殺気立っていますから、頭に血が上っています。そんな人たちの頭から立ち昇った湯気で、超ホットでした。
でもおかげでお得な買い物ができました。このスーパーの他にいいところは、レジの人のスキルが高いことです。ぼんやりしている人など誰もいません。常に手が動いています。だから気持ちいいのですよね。他のスーパーのレジを見ていると、時間が止まっているように感じるくらいですから。
さて、話は突然変わります。昨日からぼんやりと考えていたことです。
テロリストと交渉するべきか、断固戦うべきか。
アメリカなどはテロリストとは交渉しない、というのが基本的姿勢です。人命を軽視するわけではないでしょうが、日本と違って人質事件などは強行突入への決定が早い。テロは割に合わない行動だ、と思わせなくてはいけません。そして一度要求を受け入れると、それが際限なく増大すると考えているようです。
こんなことを考えつつ、実は暗澹たる気持ちになっていました。なぜなら昨今のテロは様変わりしているからです。人質を取る立て篭りやハイジャックなどというテロ行為は、あまり目にしなくなりました。つまり交渉する余地のないテロがほとんどです。
それは二週間前のパリのテロを見ればわかりますね。自爆テロや銃の乱射がテロ行為の主流となっています。いきなり殺害です。命を盾にして自分たちの主張を述べようとするのではなく、最初から人命を奪うことで自分たちのイデオロギーを誇示します。
ですから、テロリストと交渉するか否か、という命題自体が成立しません。言い方がは悪いですが、ハイジャック等が懐かしく感じるほどです。なぜこんなことを考えていたかと言いますと、昨晩にこの映画を観たからです。
『エアフォース・ワン』(Air Force One)という1997年公開のアメリカ映画です。
公開時に劇場でも観ましたし、これまで何度も観ている大好きな映画です。約20年前の映画ですから、大統領役のハリソン・フォードは若い。テロリスト役のゲイリー・オールドマンも、ハリーポッターに出演している頃に比べたら若いですね。
アメリカの大統領専用機がハイジャックされて、大統領がそれに立ち向かうという映画です。つまり20年前では映画として成立していたテロだということですね。現在のテロとは明らかに違います。俳優さんの若さと同時に、時代の違いを感じながら観ていました。
この映画の最大の魅力は、やはり二人の俳優さんの演技です。犯人の要求は逮捕されたロシアのラデクという将軍を解放すること。しかし大統領は断固として交渉することを拒否します。それはアメリカ国家としての方針でもあります。
しかし無慈悲な犯人が娘に銃を向けた時、大統領は交渉に応じます。映画ですので通常はあり得ないシチュエーションでしょうが、もしオバマさんがこの立場になったら、どうするのか気になります。娘の命を守るために、もっと大勢の人が死ぬことになるのですから。
映画というのは世相を反映しますから、この映画のリアリティーが失われるのは仕方ありません。テロリストと交渉するか否か、という映画のテーマ自体が陳腐化しています。そしてそれは同時に、現代社会がもっと複雑で大きな問題を抱えている、ということです。
現代のテロに対して、私たちは何を考え、どのような行動を起こすべきなのか? 20年前の映画を観ることで、そのことを自分に突きつけられたような気がしています。
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