今日の言葉 11月30日
『何も持たずに到達する』
精神のずる賢いあれやこれやで、心が一杯になっていないと、慈悲が起こりやすくなります。愛を台無しにしてしまうのは、要求や恐怖、執着や拒絶、決意や衝動を抱えた精神です。しかしこういった諸々に対して、単純に処することがいかに難しいことか!
優しく、親切であるために、哲学や教義は要りません。その地域で有能な人たち、力のある人たちが団結し、人々に食べ物、着る物、住居、医療を提供するでしょう。よく組織された政府とバランスのとれた社会の役割とは、こういったものです。しかし組織は寛大な心や惜しみなき助力をもたらしはしません。寛大さは全く違ったもの、あらゆる尺度を超えたものに源を発しています。
人はこの源に触れなければなりません。しかしそこには何も持たずに到達しなければなりません。祈らず、犠牲を捧げず、到達しなければならないのです。本はこの源について教えることができません。またいかなるグルもこの源まで案内することができません。徳は必要ですが、それを養うことによって、この源に到達できるのではありません。また知的能力や服従を通して、到達できるものでもありません。
精神が安らかで、波風が何も立っていない時、それはそこに存在するのです。安らかさには、動きもなければ、もっと欲しいという衝動もありません。
〜クリシュナムルティ著『四季の瞑想—クリシュナムルティの一日一話』より〜