素敵な偶然は、自分で見つけるもの
早いもので今日から2月。スーパーに行くと、節分の豆がいっぱい並んでいます。明後日には、日本中で巻き寿司が売れるのでしょう。
私が子供の頃は聞いたこともなかった恵方巻き。それでも学生の頃には、かなり定着していたように記憶しています。情報の発信源は大阪だそうです。
このようなイベントは、先に仕掛けた業界が勝ちです。別に恵方たこ焼きでも、恵方オムライスでも良かったはずです。巻き寿司を最初に持ち出した寿司業界の勝利ですね。
でも冷静に考えたら、なんて馬鹿らしいイベントでしょう。何も話さず黙ったまま恵方を向いて巻き寿司を一本食べる。客観的に見たら、笑うしかない状況です。何が何でも、節分には一人一本は巻き寿司を食べるんだ、と寿司業界から厳命されている気分です。
我が家もそれに乗って巻き寿司を食べたこともあります。でも今年は無視。作り置きされたスーパーの冷たい巻き寿司を食べても、ちっとも美味しくありません。かといって、家でわざわざ作ろうとは思いません。それなら美味しい刺身を買ってきて。手巻き寿司にするほうがいいです。
温かい水炊きでも作って、シメに雑炊を食べているほうが幸せ。ということで早々に、恵方巻き戦線からは離脱しています。
さて、昨日は「惜しい」映画を観ました。なかなかいい発想だったけれど、どうしても完全に共感できない作品でした。といっても惜しかったので、紹介しておきます。
『セレンディピティ』(Serendipity)という2001年のアメリカ映画です。
セレンディピティというのは、素敵な偶然に出会ったり、予想外のものを発見することです。その意味のとおり、主人公の二人の偶然の出会いと再会がテーマになっています。
ジョン・キューザック演じるジョナサンと、ケイト・ベッキンセイル演じるサラは、クリスマスのニューヨークのデパートで偶然出会います。残りひとつの手袋に当時に手を出したのです。ゆずり合う二人ですが、どこか運命を感じて惹かれ合います。
ところがそれぞれに恋人がいます。そしてサラはイギリス人。どう考えても結ばれる運命にありません。しかし二人の直感は運命を感じています。ジョナサンは連絡先を聞こうとしますが、サラは教えません。そこでサラはある提案をします。
ジョナサンが持っている5ドル紙幣に彼の連絡先を書いて、それを近くにあったお店で使いました。そのお金が回りまわってサラの手に届くことがあったら、運命を信じて連絡する、という提案です。
でも自分はサラを探す手立てがない、とジョナサンは言います。そこでサラは持っていた本に連絡先を書いて、古本屋に売る。その本がいつかあなたの手に届いたら、運命なので連絡してほしい、と言いました。
映画としてはとても面白い設定です。そしてその設定どおり、このアイテムは映画のラスト近くでどちらも登場します。
でも私はここでアウト! この二人に共感できません。
自分の直感を信じるのではなく、何か外部の「物」にサインを求めるという、その徹底した姿勢に共感できないのです。どれだけ心の声が大きく叫んでいても、その「物」を手にしない限り運命だと信じない。そのことで、周囲の人間を振り回してしまうことになります。実際に映画の二人もそうでした。
素敵な偶然が存在するのは確かだと思います。でもそれは自分で見つけるものです。自分の心に声に耳を傾けることが必要です。
設定としては面白いけれど、惜しい映画でした。悩み苦しんでもいいから、この二人が自分の直感を信じる姿を最後に見せて欲しかったなぁ。素敵な雰囲気を感じながらも、そう思った映画でした。
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