ベルギーのテロで感じたこと
今日も朝からずっと青空が広がっています。気温もそこそこ上がっていますし、空気が乾燥しているので気持ちがいいですね。
昨日の散歩中に、ほうき花桃が咲いているのを見つけました。満開になると魔女のほうきを逆さに立てたように見えます。私の大好きな花です。
でも明日からはしばらく寒気が入るようで、三寒四温の三寒ですね。明日の外出は厚手のジャケットが必要かもしれません。
我が家のミューナはこんな天気でもコタツにもぐっています。それでも夕方になると、ある目的があって起き出してきます。それは1日で最も楽しみにしている時間があるからです。
夕食が終わって洗い物を済ませると、いつもオモチャを作ってあげます。といっても大げさなものではありません。スーパーのレジ袋を固結びにして、ボールのように転がるようにしたものです。毎晩私がそれを作り始めると、目を輝かせて待っています。
そして放り投げてやると、全速で追いかけます。小さい目のものが大好きで、うまく捕まえられない方が楽しいようです。必死になればなるほどそのオモチャは逃げます。それをまた追いかける。首尾よく捕まえたら、口にくわえて私のところに持ってきます。そしてまたそれを私が放り投げる。
夕食後20分くらいはその遊びが続きます。ミューナにしてみたら、狩りをしている気分なのでしょう。しばらく遊ぶと、それをくわえてキャットフードが入っている皿まで持ってきます。そして皿に「獲物』を入れて、時々それを噛みながらキャットフードを食べます。
自分で仕留めた「獲物」を食べている気分のようです。これをすると食欲倍増。バリバリとキャットフードを食べてくれます。きっと今夜も楽しみにしているでしょう。我が家の平和な時間の一コマです。
ところがそんな我が家の平和とは違い、ヨーロッパでとんでもないことが起きています。昨日のベルキーでの同時テロのニュースに心が痛みます。空港と地下鉄を合わせて30人以上の方が亡くなりました。ISが犯行声明を出していますね。許しがたい暴挙だと思います。
テロがどれだけ卑劣で許すことのできない行為であるか、わざわざここで書く必要はないでしょう。犯人に対して言葉にできない憤りを感じているのは、言うまでもありません。でもあえて、どのような想いで犯人が自爆テロを実行したのかについて思いを巡らしていました。
今のところ空港での3人の犯人がテレビで公開されています。そのうち二人は自爆して命を落としています。彼らは自分の命を投げ出しているわけです。いったい何が彼らにそこまでさせるのか。政治的なことやイデオロギーを抜きにして、人間としてどう感じているのか気になります。
よく耳にする話ですが、覚醒剤等を投与されて通常の判断ができない状態になっている、という可能性があります。兵士が最前線で戦闘に向かう時、恐怖を超越するために薬物を投与される、ということが過去にあったのを聞いたことがあります。でもテレビで公開されている映像では、いたって普通の旅行者に見えます。それだけで判断できませんが、常軌を逸しているようには見えませんでした。
例えばですが、家族等を人質に取られていたとします。自爆テロを実行しなければ家族や恋人が犠牲になる、と脅されている場合です。もしそこまで追い詰められたら、あのような凶行に出るでしょうか? 自分の命を捨てることで家族が助かるならば、と思うかもしれませんね。
しかしISの活動において、そのようなことはないと思います。現代のネット社会でそんなことがあれば、そうした噂が漏れ聞こえてくるはずです。つまり心の底から自爆テロを行うことを、彼らは「聖戦」だと思っているのかもしれません。
実行犯にとって昨日のテロは、「善」なる行動なのです。そう思わざるをえません。彼らの行動が異常で卑劣だと考えるのは、私たちの視点です。彼らには彼らの視点があって、自分の行動が「善」だと考えているはずです。完全に悪だとわかっていることを、人間は行動に移せないと思います。完璧に「善」ではなくても、トータルとしてその行為に関して「善」の部分が悪より勝っているから行動します。
テロではなく衝動的な殺人を犯す人だって、その瞬間には自分の「善」に基づいて行動しています。あらゆる選択肢のなかで、それが自分にとっての「善」だったのでしょう。他人の命を奪うことが「善」でない、と言うのは簡単です。でも人間にとっての「善」は、それぞれ違うものなのです。人の命を奪うことが悪だとわかっていても、それに勝る「善」が存在すれば、人間は行動に移してしまうのかもしれません。
というようなことを考えていると、何だかとても切なくなってきました。テロの被害にあった人たちやその家族のことを思うと、胸が張り裂けそうになります。同時に実行犯たちの心を思うと、怒りだけでは割り切れないものを感じます。人間一人一人が想う「善」について、いろいろ考えさせられる事件でした。
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