侵略者は火星人だったのか
昨日の荒天が嘘のような好天です。この文章、音だけで聞いたら日本語を勉強し始めた外国の人は意味がわからないだろうなぁ。
昨日の低気圧は、各地に被害をもたらしたようです。九州ではトラックが横転していましたし、神戸では造船所で働いてた方が亡くなっています。台風並みの暴風でしたからね。その風が遠い昔のように感じるほど、今日は穏やかな天気です。
相当数の桜が昨日の風で花を散らしてしまったでしょうが、しぶとく頑張っている桜もいます。我が家のバルコニーから見える公園に立派な桜の木があるのですが、地面に花びらの絨毯はできているものの、まだしっかりと花びらを残しています。天気がいいので、お弁当を広げておられる方がいました。
明日も晴れの予報なので、気が向いたらちょっと足を伸ばした散歩をしてもいいかもしれません。散る頃の桜も綺麗ですから。そして今年のお花見のフィナーレを、来週早々あたりに予定しています。なんだかんだ言いながらも、今年も桜をいっぱい見ています。
さて、昨日はある本を読了しました。それを原作にした映画について先日のブログで書きました。そのブログの記事で、どうしても登場人物の行動に納得がいかないので、原作を読むと言っていた物語です。
『宇宙戦争』H.G.ウェルズ著という小説です。
借りた本のタイトルが「完訳版」となっていたのですが、子供向けの書籍でした。漢字には全てふりがなが付いていて、さらに極力ひらがなが使用されています。ですからかなり読みにくかったので時間がかかりました。
映画はトム・クルーズが主演した作品ですが、読み始めてびっくり。まったく関連のないストーリーでした。映画の舞台はアメリカのニューヨークで、時代は現代です。
しかし原作はイギリスのロンドンが舞台で、時代は1895年。19世紀の物語でした。共通しているのは宇宙人の生態くらいです。だから映画の謎は、謎のままです。トム・クルーズが演じた主人公の人生的な背景や、なぜ長男があの状況で助かったのかわかりません。やっぱり映画としては、かなり質が落ちるように感じました。スピルバーグはあの映画で何を言いたかったのでしょう? CGはすごいですが、はっきり言って愚作だと思います。
原作の主人公は哲学的な書物を書く作家でした。時代が19世紀ですから、宇宙人の攻撃から逃げるのは馬車です。戦う方法も大砲しかありません。戦闘機なんて存在しない時代ですからね。従兄弟に預けた妻と離ればなれになってしまいますが、最後には会えるという物語です。
映画と共通したシーンもありました。ある家に男と二人で隠れるのですが、その男が正気を失って宇宙人にバレるような行動を取ります。思い余った主人公が、自分の身を宇宙人から守るために、その男を殺害するというシーンです。
原作では副牧師となっていました。映画では農夫の男で、主人公と一緒に娘もその家にいました。それ以外に共通しているのが、宇宙人の食料が人間の血液だったということです。そして最後は、地球のウィルスにやられて自滅したことも同じです。
映画を観た時には、つまらない結末だと思っていました。でも19世紀に書かれた原作として考えると、著者の想像力はすごい! 熱戦を出す宇宙人の武器や、地球に存在しない物質で中毒死を誘う黒いガスなどは、当時では考えられないことでしょう。
『マーズ・アタック』という大勢の有名俳優を贅沢に使ったコメディ映画がありました。宇宙人が攻めてくるのですが、人間には立ち向かうことができません。でもその宇宙人は最後に滅びます。それは「ヨーデル」でした。ヨーデルの歌声を聞くと、宇宙人の脳が破裂するのです。そんなアホな映画に比べたら、この物語はよくできていると感じました。
ちなみに原作を読んで始めて、映画の宇宙人の正体を知りました。
火星人だったのですね〜〜!
元々は人間のような身体だったのですが、科学が発達して脳が進化し過ぎたので、筋肉が退化してタコのようになったそうです。なるほど。そしてあらゆる病気やウィルスが存在しない理想的な惑星を作ったので、地球のウィルスに免疫がなかったとのこと。ある程度は過酷な環境にいるほうが、たくましく生きられるということでしょう。
面白かったのは、筋肉が退化した火星人は休息する必要がないことです。だから24時間活動できます。すぐ眠くなる私にとっては、ちょっと羨ましく感じました。どうせ映画にするのなら、19世紀のロンドンを舞台にして、火星人の侵略を描いてほしかったです。今のCGなら可能だと思うのですけれどね。
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