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高羽そらさんインタビュー

フィクションによく効くスパイス

雨はあがりましたが、雲の多い1日でした。ちょっぴり風は冷たいので、歩くにはちょうどいい気候です。

 

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いよいよ紫陽花の花が開き始めました。雨あがりの街を歩いていると、この写真のような紫陽花をいくつも見ることができます。一ヶ月ほど前に桜を見ていたのが遠い昔のように感じます。

 

昨日はたくさんの誕生日メッセージをいただいて、ありがとうございました。自分が生まれた日というのは、実年齢を意識するときでもあります。でも私の場合、日々の生活で年齢を意識することはまずありません。もちろん若いころに比べたら体力は落ちていますし、疲れやすくなっているように思います。かといって、そのことと年齢を結びつけてあまり考えません。

 

私が年齢を意識するのは、ネットでアンケートを答えるときですね。たいてい年齢を入力する項目があるので、自分の年齢を意識せざるをえません。特に誕生日前後では数字が変わってくるので、余計に意識してしまいます。いっそ成りすまして、いつも35歳くらいにしておくと意識しなくていいのかもしれませんね〜!

 

さて、今は村上春樹さんの小説を読んでいるのですが、昨日の内容に面白いことが書かれていました。主人公の友人が、いわゆる成功セミナーの主催者の仕事をしています。その仕事に対して、現代における宗教のようなものだと主人公が述べています。

 

なるほどなぁ、と納得。宗教というのは経典を学ばせることで、悟りへと導くことが目的です。現代におけるセミナーは、経典がマニュアルにとって代わり、悟りではなく金銭的な成功が目指すゴールです。

 

そして両者に共通していること。それはほとんどの人が目的を達することができず、利益を得るのは教祖や主催者だということです。少し嫌みを込めた指摘ですが、的を得た考え方だと共感しました。

 

宗教的な悟りにしても、金銭的や社会的な成功にしても、経典どおり、あるいはマニュアルどおりに行動したからといって、確実にゴールへ到達するわけではありません。それでも人は宗教であれセミナーであれ、多額の金銭を払って目的地を目指そうとします。

 

なぜかといえば、まったくのフィクションではないからです。まれに、あるいは偶然、その方法で成功した実例があるからです。すべてが嘘であったり、でっち上げなら、誰からも無視されるでしょう。わずかとはいえ、真実がそこに混入されることで、全体が信用に足るべきものだと感じてしまうのです。

 

つまりフィクションに適度な『事実』を織り交ぜることで、まるで真実のように見えてきます。私が小説を書くときも、意識していることです。99パーセントがフィクションでも、1パーセントの事実が含まれるだけで真実のように感じます。

 

事実というのは、フィクションによく効くスパイスなのです。

 

先日原作を読んだ『ゴーン・ガール』にも同じ手法が使われています。エイミーは夫を陥れるために警察に見せるための日記を書きます。わずか1年ほどで、7年分の日記を捏造します。しかし実際にあったことを適度に織り交ぜていきます。そうすることでそれを読んだ警察は、その日記に書かれていることがすべて事実だと認定してしまうわけです。

 

ネットを見ていると、様々な成功セミナーが開催されています。無料のものから有料のものまで、数え切れないほどです。でもそれだけの数に等しい人が、自分の夢を叶えて成功しているとは思えません。ほとんどの人が費やした時間と費用は、主催者のふところに持ち去られているのが現実です。

 

それでもそうし状況で、うまくいく人が出てくるのが面白い。ですからそれがクローズアップされて、さらなる集客の材料にされてしまいます。ネットで流れるデマも、そうした例のひとつです。嘘と真実が織り交ぜられたものに、大勢の人が翻弄されることになります。

 

私は今日の今日まで知らなかったのですが、「きさらぎ駅」という都市伝説があります。電車に乗っていて、突然見知らぬ世界に運ばれてしまいます。降りた駅の名前が「きさらぎ駅」です。そしてその人はTwitterでそのことを訴えますが、やがて音信不通になる。そんな都市伝説です。

 

これだってTwitterでそれらしき写真等がアップされると、本当のことのように思えてきます。ところどころに事実を混ぜれば、事実だと信じる人もいるでしょう。私たちが目にしている世界は、もしかしたらほとんどがフィクションかもしれません。スパイスのようなわずかな真実がそこに織り込まれていて、揺るぎない現実だと思い込んでいるだけかも。そう思うとワクワクしてきて、新しい小説のネタが見つかりそうです!

 

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高羽そら|たかはそら(作家、小説家)プロフィール

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高羽そら(たかはそら)
今後の目標:毎年1つの物語を完成させたいと思います。
生年月日:昭和37年5月10日
血液型:A型
出身地:京都市

【経歴】
1962年京都市生まれ。数年前に生活の拠点を神戸に移してから、体外離脱を経験するようになる。『夢で会える 体外離脱入門』(ハート出版)を2012年1月に出版。『ゼロの物語Ⅰ〜出会い〜』、『ゼロの物語Ⅱ〜7本の剣の守り手〜』、『ゼロの物語Ⅲ〜次元上昇〜』の3部作を、2013年7月〜12月にかけて、オフィスニグンニイバよりAmazonのKindleにて出版。現在も新たな物語を執筆中。

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