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高羽そらさんインタビュー

やばい、村上ワールドにハマった

朝から夕方までずっと晴れているのは、かなり久しぶりのような気がします。5月らしい本当に気持ちのいい天気でした。

 

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昨日撮影したバラです。春らしい気候なので、この花もきっと喜んでいるでしょう。

 

今日もバタバタの1日です。朝の掃除を済ませたら連載小説を書いてブログでアップ。そしてランチを済ませて、春の大掃除。それが終わると、新しい短編小説を先ほどまで書いていました。

 

コメディを意識して書いていますので、書いていてめちゃ楽しいです。午前中にホラーを書いて、午後からコメディ。人生はこうした色々な面を体験できるから楽しいのでしょう。人間は常に変化しているので、同じであり続けると感じるのは錯覚です。だから変化することを受け入れると、思ったより楽に生きられます。

 

でも変化することを恐れて抵抗すると、とてつもない苦痛にさいなまれることになります。完璧だと思えば思うほど、そのことが変化して失われることに苦痛を感じます。そうした苦痛と向き合っていく主人公たちの姿を描いた小説を読みました。

 

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『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』村上春樹 著という本です。

 

以前は避けていた村上春樹さんの作品ですが、少しずつその世界に踏み入っています。そして入れば入るほど、その世界にハマり込んでいきます。この作品を読んで、私は完全に村上ワールドにハマってしまいました。それほど面白い物語で、時間を忘れて読みふけってしまいました。

 

タイトルのとおり、主人公は多崎つくるという名の30代の男性です。高校時代に名古屋で、最高の友人たちに出会います。男性二人と女性二人につくるを加えた5人です。誰が欠けてもグループとして機能しないほど、完璧な5人組でした。

 

ところが東京の大学に進学した2回生の夏、つくるは名古屋に残った他の4人から縁を切られます。理由も聞かされず、とりつくしまもない強い拒絶でした。つくるは死を考えるほど落ち込みながら、完璧だった4人との絶縁を受け入れます。しかしそれは心の奥底に凍りついた何かを残すことになります。

 

そんなつくるがある女性と出会います。2つ年上の沙羅という名で、つくるは彼女となら一緒に生活していけるように思います。ところが彼女はつくるの心の奥深くにある塊を感じます。そしてそれを取り除かないと、自分たちは幸せになれない、と言います。

 

そこでつくるは、自分が切り捨てられた理由を求めて16年ぶりに友人たちへ会いに行く、という物語です。読み始めるとその先が気になり手を止められませんし、つくるの心が痛いほど伝わり涙が出てきました。素晴らしい作品だと思います。

 

村上さんのエッセイに書かれていましたが、当初は短編として書き始められたそうです。ところが沙羅が登場して事情が変わりました。最初はつくるが縁を切られら理由を探さない予定でした。しかし沙羅がそうするようにと、執拗に言葉を発するとのこと。

 

そこで村上さんは当初の予定を変えて長編小説として書き下ろした、という興味深い過程で完成した作品です。登場人物は当然ながら架空の存在ですが、それは作者にとってリアル世界と変わらない存在だということです。その不思議な感覚は、とてもよく理解できます。

 

なぜつくるが4人から縁を切られたか? それは完璧だった関係が変化することへの恐れが根本的な原因です。具体的な理由が知りたい方は、ネタバレはしませんのでぜひこの本を読んでください。つくるは地元の名古屋だけでなく、真実を求めてフィンランドまで行くことになります。

 

この小説で心に残った文章があるので、引用させていただきます。つくるがすべての事実を認識したときの文章です。

 

〜以下抜粋。

 

そのとき彼はようやくすべてを受け入れることができた。魂のいちばん底の部分で多崎つくるは理解した。人の心と人の心は調和だけで結びついているのではない。それはむしろ傷と傷によって深く結びついているのだ。痛みと痛みによって、脆さと脆さによって繋がっているのだ。悲痛な叫びを含まない静けさはなく、血を地面に流さない赦しはなく、痛切な喪失を通り抜けない受容はない。それが真の調和の根底にあるものなのだ。

 

〜以上抜粋。

 

心に響く素敵な言葉です。何度も読み返してしまいました。さて、また図書館に行って村上さんの著作を借りてきま〜す!

 

『夢で会える 体外離脱入門』は在庫僅少ですので、お求めの方はハート出版さんや書店に問い合わせてください。Amazonでの注文はこちらです。

 

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高羽そら|たかはそら(作家、小説家)プロフィール

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高羽そら(たかはそら)
今後の目標:毎年1つの物語を完成させたいと思います。
生年月日:昭和37年5月10日
血液型:A型
出身地:京都市

【経歴】
1962年京都市生まれ。数年前に生活の拠点を神戸に移してから、体外離脱を経験するようになる。『夢で会える 体外離脱入門』(ハート出版)を2012年1月に出版。『ゼロの物語Ⅰ〜出会い〜』、『ゼロの物語Ⅱ〜7本の剣の守り手〜』、『ゼロの物語Ⅲ〜次元上昇〜』の3部作を、2013年7月〜12月にかけて、オフィスニグンニイバよりAmazonのKindleにて出版。現在も新たな物語を執筆中。

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