怖い寓話、『カエルの楽園』
やっぱり暑い。こう書かないとブログを始められなくなりました。まぁ、ある意味正常な暑さだと思います。もし8月の上旬で肌寒い気候だったら、逆に心配になりますものね。仕方ない。暑さを楽しみましょう。
でも今日の神戸の暑さはかなりましです。昨日や一昨日に比べると、少しほっとする暑さです。カラッとした風がよく吹いていて、暑いながらも快適に過ごしています。外を歩いていても気持ち良く風を感じることができました。
昨日までの近畿の暑さが、どうやら関東へ移動したようです。東京の羽田では、午前中で38度に達していましたね。きっと熊谷あたりでは、40度近くになっているでしょう。お気の毒様です〜!
ブログで連載していた『エリクサー』のリライトが佳境に入ってきています。少し集中して追い上げたいので、明日のブログは全面的にお休みにさせていただきます。やはり1日2本、それも各2,000字近くのブログを書こうと思うと、意識がそちらに取られてしまいます。一度全面的に集中して、エンジンをかけたいと思っています。もしかして気分が乗ったら、もう1日くらいお休みするかもしれません。
さて、昨晩に読了した本です。面白くて、そして怖くて、2時間くらいで一気に読んでしまいました。
『カエルの楽園』百田尚樹 著という本です。
同じジャンルの作品を書かないと豪語されている百田さん。言葉どおりにこの作品は初めての寓話です。ですから少し平仮名多く使用されていて、中学生くらいでも気軽に読むことができます。ところが内容はそんな気軽なものではありません。大人の寓話と言ってもいいでしょう。
ソクラテスという故郷を追われたアマガエルが、楽園を求めて旅を続けます。故郷では大きなカエルたちによって、アマガエルは食われてしまいました。安全で幸せに暮らせる楽園を求めて、ナパージュという理想の国に到着します。
その国はツチガエルの王国ですが、綺麗な池や森があり、誰も襲われることなく平和で暮らしています。近くには恐ろしいウシガエルが暮らしているのに、ナパージュの国がある崖の上に登ってきません。その理由として信じられているのが『三戒』と呼ばれているものでした。『三戒』があるから、恐ろしい敵に侵略されないと信じているのです。何の根拠もなく。
ネタバレになるので、これ以上書くのはやめておきます。でもこの寓話がなぜ大人向けなのかだけ触れておきます。このナパージュは日本のことです。『三戒』は憲法第9条です。ですからウシガエルは中国です。そうは書かれていませんが、読めばすぐにわかります。
当然ながらアメリカを示唆するワシや、マスコミを示唆するカエルも登場します。そのデイブレイクという名のカエルは、世論を操作して『三戒』さえ守ることができればナパージュの平和は続くと信じさせているのです。そしてこの物語の結末は、マジで怖いです。その過程はまるで予言書を読んでいる気分でした。
最近になって中国が尖閣諸島に軍艦を派遣しました。先週末には、250隻の漁船が接続水域に入り、一部は日本の領海にも侵入しています。さらに8月7日には海警局(日本でいう海上保安庁)の船が15隻もやってきて、一部は領海に侵入しています。明らかに挑発行為です。
この状況は、実は百田さんの寓話と同じです。そしてその結末に待っているのは……。
大人向けの寓話ですが、是非とも若い世代の方に読んでいただきたい作品です。いや、読むべきでしょう。本当に大切で守るべきものは何なのか、自分の頭で考えるきっかけになると思います。世界では今でも戦争が起き、テロは日常的に発生しています。日本の平和がどれほど不安定な世界の上に築かれているかを、わたしたち日本人は本気で自覚していません。
それは自覚できないような報道姿勢になっているからです。リオ五輪のニュースに隠れるようにして、尖閣諸島の状況が報道されています。メディアによっては無視しているでしょう。日本の閣僚クラスが正式に抗議しているのですが、目の留める人のほうが少ないはずです。
この寓話が現実にならないことを願っています。微笑ましいカエルの物語ですが、決して笑えない物語です。是非読んでみてくださいね。
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