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高羽そらさんインタビュー

歌舞伎を見て泣いた

今日の暑さは苦手です。久しぶりに湿度が高くて蒸し蒸しの神戸です。短時間のミストサウナなら気持ちいいのでしょうが、そのなかで24時間過ごすわけですから、たまったものではありません。買い物に行って帰ってくるだけで、汗びっしょりになりました。

 

明日の京都は「五山の送り火」ですから、実質的にはお盆も今日まで。歩きながら街を眺めていると、明日の16日あたりまで休んでいるお店が多いようです。JR六甲道駅を見ていると、数日前まではカートを引きずって電車に乗り込む人を多く見かけました。でも今日は列車から降りてくる人のほうが多い印象でした。Uターンのピークを迎えているようです。

 

これだけ湿度が高いと、仕事の集中力が削がれます。昨日のブログで書いたように、大幅な文字数カットを断行中ですので、頭がテンパっています。短編小説一つ分くらい減らさなければいけません。身体だけでなく脳みそまでオーバーヒートしていますので、全身汗だくです。

 

でもある意味貴重な訓練です。この状況で集中力を高めることができれば、気候のいい時期ならさらに集中できますね。ということは24時間という1日の絶対時間を相対的に増やすことができます。何事も無駄にはならないものです。

 

さて、昨日は仕事がひと段落したので、久しぶりに歌舞伎を見ました。わたしはロックファンですが、実は古典芸能の歌舞伎も大好きなのです。と言っても劇場に行ったわけではありません。先日にテレビで放送していたものを録画しておきました。

 

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今年の5月に歌舞伎座で行われた團菊祭の放送でした。「團」は市川團十郎さん、「菊」は尾上菊五郎さんを指しています。市川團十郎さんは亡くなっていますが、毎年5月にこの公演が行われています。当然ながら團十郎さんの息子である市川海老蔵さんが出演されています。そのなかでも、わたしの大ファンである海老蔵さんが出演していた『菅原伝授手習鑑 寺子屋』の放送でしたから、めちゃめちゃ楽しみにしていました。

 

この『寺子屋』は歌舞伎では有名な作品でして、わたしも京都の南座で何度か見たことがあります。やっぱり印象に残っているのは、海老蔵さんのお父さんである市川團十郎さんが演じた松王丸です。これは切ない物語でして、細やかな心の機微を表現しなくてはいけない難しい役です。市川家にとってはお家芸のような役ですから、團十郎さんは本当に素晴らしかったです。

 

でも海老蔵さんの松王丸を見るのは初めてです。期待と不安が入り混じった気持ちで、ドキドキしながら鑑賞させていただきました。この作品は菅原道真を題材にしたものです。歌舞伎は名前を隠しますので、菅丞相という名前で登場します。しかしこの物語はその幼い子供である菅秀才の話です。失脚してしまった父の息子ですから権力者に命を狙われています。悪役は藤原時平です。ある田舎の寺子屋にこの子供を預かってもらっているところから物語が始まります。

 

わかりにくい話ですので、現代風に書きましょう。

 

塾の経営者の男が「お前のところで指名手配犯の息子を預かっているだろう。その首を差し出せ」と、警察から言われます。隠せば家族を逮捕して死刑にするぞ、と脅されています。

 

男は途方に暮れて塾に戻りますと、年恰好の似た子供がいるのに気づきます。指名手配犯を信奉する男には、実の息子を差し出せません。そこでよく似た子供を身代わりに殺してしまうのです。

 

そこへ警察がやってきて、遺体をチェックします。子供の顔を知っているのは松王丸ただ一人。そして遺体を見た松王丸は、それが手配されていた人間の子供だと認めます。そして遺体は警察へ運ばれました。

 

困ったことに殺された子供を母親が迎えにきました。そこで塾の経営者は、母親も殺してしまおうと思います。ところが母親の様子が変です。自分の子供が役に立ったのかと訊ねます。

 

よくよく聞いてみると、身代わりになるようにわざと自分の子供を塾へ送り込んだのです。そしてそこで父親が現れます。自分の子供を差し出したのは、なんと松王丸でした。警察組織の幹部でありながら、指名手配犯を信奉していました。ですから自分の子供を身代わりにすることにしたのです。遺体を確かめるのは自分ですから、バレることはありません。

 

簡単に言えば、そういう話です。現代風に書けば、とても物語になりませんね。ヤバすぎます。でもこれが江戸時代では美談としてもてはやされたわけです。自分の実の子供の首実検をする松王丸の苦悩。それは言葉にできないものでしょう。

 

海老蔵さんの松王丸は最高でした。本当に素晴らしい。團十郎さんにも決して負けていないと思います。そしてなぜわたしが泣いたのか?

 

数年前の海老蔵さんの演技だったら泣かないと思います。でも今の海老蔵さんは、病気治療中の麻央さんに代わって、父親として二人の子供の面倒を見ています。毎日欠かさずブログを読んでいますから、どれだけ時間をかけて子供たちと接しているかを知っています。

 

父親としての海老蔵さんと、松王丸がダブってしまったのです。今の海老蔵さんにとって、長女と長男の二人の子供はかけがえのない存在でしょう。もし何かあれば、生きていけないほどの強い愛情だと思います。そんな自分の子供に対する無償の愛が、松王丸に乗り移っていたよう気がするのです。

 

芝居を見ながら、いつもブログで見ている可愛い二人の姿が目に浮かんで、思わず泣いてしまいました。苦痛に歪む松王丸の顔が、海老蔵さんの素顔に見えたからです。やっぱり俳優さんは、年齢を重ねて様々な経験をされることで、演技に深みが出てくるのだと感じました。とても素敵な『寺子屋」でした。

 

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高羽そら|たかはそら(作家、小説家)プロフィール

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高羽そら(たかはそら)
今後の目標:毎年1つの物語を完成させたいと思います。
生年月日:昭和37年5月10日
血液型:A型
出身地:京都市

【経歴】
1962年京都市生まれ。数年前に生活の拠点を神戸に移してから、体外離脱を経験するようになる。『夢で会える 体外離脱入門』(ハート出版)を2012年1月に出版。『ゼロの物語Ⅰ〜出会い〜』、『ゼロの物語Ⅱ〜7本の剣の守り手〜』、『ゼロの物語Ⅲ〜次元上昇〜』の3部作を、2013年7月〜12月にかけて、オフィスニグンニイバよりAmazonのKindleにて出版。現在も新たな物語を執筆中。

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