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高羽そらさんインタビュー

宇宙の扉をノックしたかな?

台風12号は熱帯低気圧になりました。近畿にも近づくことなく、午後からちょっぴり雨を降らしてくれた程度です。湿った暖かい空気を送り込むばかりで、雨不足の助けにならずに期待外れでした。結局蒸し暑くなっただけですものね。

 

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そんな蒸し暑さを吹っ飛ばしてくれそうな、見事な赤色のハイビスカスです。昨日の散歩中に撮影しました。今日は午前中に所用で外出したのですが、運良く雨に降られずに帰ってくることができました。夕方になっても時おり小雨が降っていますが、明日には晴れそうです。

 

さて、久しぶりに昨晩は本を読了しました。600ページ近くあって、全部で22章あります。ところが毎晩2時間必死で本にかじりついても、せいぜい読めて2章です。ですから読了するまで10日ほどかかってしまいました。

 

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『宇宙の扉をノックする』リサ・ランドール著という本です。

 

前作である『ワープする宇宙〜5次元時空の謎を解く』に継いで出版された、彼女の2冊目の本です。当然ながら前作も読んでいます。5次元やパラレルワールドの存在を論証した素晴らしい本でした。その時も苦労して読みましたが、今回はさらに大変でした。

 

著者はハーバード大学の物理学教授で、素粒子物理学と宇宙論を研究しています。これら2冊の本は数式を一切使用せず、いわゆる文系の人でも読めるように書かれた書籍です。それでもやはり想像を超える世界なので、すっと読み流すわけにはいきません。一つ一つ理解して先に進まないと、何が書いてあるのかわからなくなってしまいます。それで時間がかかりました。

 

2冊目のこの本で中心的に語られているのが、スイスとフランスにまたがって設置されている、大型ハドロン衝突型加速器(LHC)についてです。全長27㎞にも及ぶトンネルが掘られていて、そこで加速された陽子と陽子を衝突させる実験が行われています。日本も含めて多くの国が参加している共同プロジェクトで、世界の注目を集めています。

 

ヒッグス粒子という言葉を聞かれたことがあるでしょうか? 2013年に発見されて話題となり、その理論を提唱した学者がノーベル賞を受賞しています。そのヒッグス粒子が発見されたのは、このLHCなのです。

 

原子や分子については学校の理科で習いましたよね? 原子は原子核と電子に分かれ、原子核はさらに陽子と中性子に分かれます。ところがまだその先がありました。陽子や中性子を構成しているのがクォーク等の素粒子です。ヒッグス粒子はその素粒子が質量を持つことの原因となっているものです。物質の質量は、ヒッグス粒子で構成されるヒッグス機構があることで存在しています。

 

発表当時はまったく意味がわかりませんでしたが、この本を読んでようやく理解できました。それ以外にも現在の物理学がどこまで物質や宇宙の謎を解明していて、さらにどのような問題を抱えているかが詳しく書かれています。ファンタジーの物語を読んでいる気分で、ワクワクしながら読み進めていました。

 

例えばこの宇宙。物質として解明されているのはわずか4%です。23%は光と相互作用を持たないダークマターと呼ばれる謎の物質で、残りの73%はダークエネルギーと呼ばれる、これまた謎のエネルギーです。つまり宇宙のほとんどが謎なのです。光と相互作用しないといういことは、目に見えないのです。

 

そのダークマターについても、このLHCによって解明が期待されています。この装置の詳しい仕組みが解説されていて、どれだけ凄いことなのか理解できました。この本を読めば、現代物理学の成果や課題が一目瞭然です。かなりオススメの本ですよ〜!

 

最新の物理学を解説しながら、著者はもっと大切なことを述べています。その一つは科学的思考の重要性です。科学を生業にしている人でなくても、この思考法は人生を生きていくうえで必須であると記されています。彼女の文章を抜粋します。

 

『科学は答えの獲得に向かって進歩するものと考えていい。と同時に、行けば行くほど複雑になり、十分に肉付けされた説明が得られていないうちから、また複雑なものが出てくる。答えは面倒なものかもしれないが、それでもやはり理(ことわり)への信を捨ててはならない』

 

深い内容です。一般的に科学的思考といえば、論理的に物事を考え、実証を重ねつつ、正しい答えを導いていく。そう考えられていると思います。これは人生で壁にぶつかった時に、対処する方法として有益でしょう。

 

ところが本当の科学というものは、先に進めば進むほど混沌としてきます。答えが見えたと思っても、さらに複雑な問題に取り囲まれることになります。それらに向き合うのは厄介で面倒です。でも真実に向かって闇のなかを進んでかなければなりません。それこそが本当の『科学的思考』だと著者は述べています。

 

人生も同じだと思います。壁に向き合ってようやく超えたと思っても、さらに次の壁が待っています。それどころか厄介な問題が並走してきて、壁を越えることが苦しくなってきます。それでも諦めずに前へ進む。実はそれが『科学的思考』なのです。ありのままの事実を受け入れ、そこから逃げずに突き進んでいく。この本を通じて、そうした科学者たちの姿を見せてもらえました。

 

物理学の知識だけでなく、生き方の指針も示してもらえる本です。ところで著者が、素粒子物理学と宇宙論を研究している理由がわかるでしょうか? 素粒子と宇宙では、まったく正反対のような気がしますね。LHCは陽子の衝突という最小スケールの実験なのに、なぜ宇宙の姿を明らかにできるか?

 

その答えが翻訳者のあとがきに書かれていました。大学院の試験の時に、面接試験で教授に言われた言葉だそうです。

 

「君、宇宙も昔は小さかったのだよ。素粒子よりもね」

 

最後の最後で、忘れられない言葉と出会いました。

 

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高羽そら|たかはそら(作家、小説家)プロフィール

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高羽そら(たかはそら)
今後の目標:毎年1つの物語を完成させたいと思います。
生年月日:昭和37年5月10日
血液型:A型
出身地:京都市

【経歴】
1962年京都市生まれ。数年前に生活の拠点を神戸に移してから、体外離脱を経験するようになる。『夢で会える 体外離脱入門』(ハート出版)を2012年1月に出版。『ゼロの物語Ⅰ〜出会い〜』、『ゼロの物語Ⅱ〜7本の剣の守り手〜』、『ゼロの物語Ⅲ〜次元上昇〜』の3部作を、2013年7月〜12月にかけて、オフィスニグンニイバよりAmazonのKindleにて出版。現在も新たな物語を執筆中。

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