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高羽そらさんインタビュー

誰にも「理由」がある

今日も昨日に引き続き見事な秋晴れです。といってもブログを書いている今は午前11時です。午後の天気はどうなるかわかりませんけれどね。

 

午後から外出予定があるので、パソコンを持って出先で仕事をするつもりです。自宅に戻るのは夕方になりそうなので、こうしてあらかじめブログを書いています。アップするのは夕方になると思いますが、書いているのは午前です。

 

ブログを書いている今の時間だと、東京の銀座でリオ五輪・リオパラリンピックのメダリストが勢ぞろいしてパレードをしているころですね。4年前もかなりの人でしたから、今年も賑わっていることでしょう。聞くところによると100万人ほどが集まるとか。パレードを主催する方たちの気苦労を思うと胃が痛くなりそうです。

 

朝のテレビ番組をちらっと見ましたが、3時間前なのにすでに待っている人たちがいました。絶好のロケーションになる店舗では、開店前に行列ができて整理券が配られています。人ごみが苦手なわたしには考えられないことですが、メダリストを目の当たりにしたい人が大勢おられるのですね。

 

そんなふうにあちらこちらから集まる人それぞれが、何らかの事情を抱えてやってきているのだと思います。誰かのファンであったり、仕事の一環であったり、友人や家族の付き合いであったり。事情は様々でしょうが、誰にも行動するための「理由」があります。そんなことを考えさせられる小説を読みました。

 

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『理由』宮部みゆき 著という本です。宮部さんが直木賞を受賞された作品です。

 

宮部さんという作家は多作ですから、すべての作品を読むのにかなりの時間を要します。その多くの作品のなかでもサスペンスジャンルで賞賛されているのが、『火車』、『模倣犯』、そしてこの『理由』です。『模倣犯』は先日読了して、映画もドラマも見ました。そしてようやく『理由』を読了することができました。

 

文庫本でも700ページ近くある長編ですが、あっという間に読みきってしまいました。この小説は構成がかなり変わっています。ルポライターの記事のように書かれていますので、まるでノンフィクションを読んでいるような気持ちになります。関係者がインタビューに答える形式になっています。ですから作品が持つリアリティが、さらに強調されているように感じました。

 

時代はバブルが弾けたころです。ある高級タワーマンションで一家4人が殺害されます。中年夫婦とその母親らしき女性。息子とみられる青年は20階から転落死で発見されます。ところがその4人はマンションの住人ではありませんでした。いわゆる「占有屋」です。

 

ローンが払えなくて競売にかけられると、落札した人が買受人となります。そこで引き渡しが行われるわけですが、それを阻止する行為です。善意の第三者と賃貸契約を捏造することで、買受人が立退料を支払うか、安値で手放すようにさせる妨害行為です。

 

ですからこの4人は身元がわかりません。実は家族でもなく、他人の寄せ集めだったのです。物語のかなり後半にならないと、この4人の身元がわからない構成になっています。事件そのものよりも、ここに至った『理由』が多くの登場人物の口から語られます。

 

マンションの所有者。買受人。占有をあっせんした不動産会社。容疑者を発見した家族。4人の身元不明の被害者。そしてそれらの事件に関わった人たちの家族。それら大勢の登場人物が、自分の行動を規定する『理由』を語ります。なぜマンションを手放したか? なぜ競売に参加したか? なぜ家族が家出をしたか? そしてなぜ殺してしまったのか?

 

一つの小説のなかに、いくつもの物語が仕込まれています。その細部にこだわった写実的な世界と著者の筆力の高さに圧倒されました。直木賞の選考は満場一致だったそうですが、当然だと思います。それほど素晴らしい作品です。書き手の立場として見た場合、その努力に頭が下がります。

 

映画やドラマにもなっているそうですので、機会があれば探してみようと思います。そしてまだ未読の『火車』も早く読みたいです。宮部さんはこうしたサスペンス以外に、ファンタジーや時代小説も執筆されています。全作品を読破するには、まだまだ時間がかかりそうですね。

 

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高羽そら|たかはそら(作家、小説家)プロフィール

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高羽そら(たかはそら)
今後の目標:毎年1つの物語を完成させたいと思います。
生年月日:昭和37年5月10日
血液型:A型
出身地:京都市

【経歴】
1962年京都市生まれ。数年前に生活の拠点を神戸に移してから、体外離脱を経験するようになる。『夢で会える 体外離脱入門』(ハート出版)を2012年1月に出版。『ゼロの物語Ⅰ〜出会い〜』、『ゼロの物語Ⅱ〜7本の剣の守り手〜』、『ゼロの物語Ⅲ〜次元上昇〜』の3部作を、2013年7月〜12月にかけて、オフィスニグンニイバよりAmazonのKindleにて出版。現在も新たな物語を執筆中。

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