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高羽そらさんインタビュー

音が見える物語

明け方に秋雨前線が通過したので、とんでもない風と雨でした。眠れなくてゴロゴロしていて、ようやく眠りかけたところで暴風雨に起こされので、今日はかなり寝不足です。今夜はぐっすりと眠れるよう、昼寝はせずに仕事や読書に集中しています。

 

少し時間がとれそうだったので、macOSをアップグレードしました。最新のOSはSierraという名前です。特に問題もなく、30分くらいでアップグレードできました。従来のOSを継承したものなので、見た目は大きく変わっていません。

 

いくつか新しい機能が使えますが、目立つのはSiriがPCで使えるようになったことですね。iPhoneのように「Hey Siri」では起動できないようです。一度しかやっていないのでわかりませんが。でもSiriを立ち上げると、iPhoneと同じように音声で返答してくれます。

 

普段はあまり使うことのないSiriですが、何かPCで作業をしながら調べ物をするときに便利かもしれませんね。話し相手としても面白いので、原稿を書く合間に遊んでしまいそうです。ただし、外ではできませんけれどね。

 

もうひとつ便利だと思った追加機能は、書類とデスクトップのデータを自動的にiCloudで保存できるようになったことです。原稿を書いた日は、必ず眠る前にバックアップをとっています。そうしないと1日の仕事が無駄になることがありますから。

 

でもiCloudで常にバックアップしてもらえると、PC、フラッシュメモリー、そしてiCloudの3箇所で文章を保存することができます。最悪PCが故障しても、故障前までの作業をバックアップしてくれるので、これはかなり助かる機能です。その分Apple IDの管理が重要になります。つまらないフィッシングに引っかからないようにしないといけませんね。

 

さて、昨日読了した本です。

 

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『羊と鋼の森』宮下奈都 著という本です。

 

この作品は直木賞候補になったのを知って、いつか読もうと思ってリストにあげていました。タイトルが不思議な印象だったからです。このタイトルを読んでどんな小説のイメージを感じますか? わたしは想像もつきませんでした。

 

この小説はピアノの調律師が主人公でした。ピアノというのはハンマーに羊毛のフェルトが付いていて、それで鋼の弦を叩くことで音を出します。つまりこのタイトルはピアノの世界を一言で表現しています。

 

主人公の外村は高校生のとき、板鳥という名の調律師に出会います。体育館に置かれているピアノの調律をするためにやってきました。その調律された音を聞いて感動します。そして自分も調律師になろうとして専門学校に通い、その板鳥がいる楽器店に勤めることになります。その楽器店を舞台にした物語です。

 

ピアノの調律というのは今までまったく知らない世界ですし、この宮下さんの小説も初めてです。だからちょっと不安を覚えながら読み始めましたが、あっという間に新しい世界へ引き込まれてしまいました。それは宮下さんの文章ゆえだと思います。

 

音がリアルに見えてくる文章なのです。ピアノの音だけでなく、風や雨、そして日常生活のすべての音が文字になって見えてきます。まるで共感覚を得たような気分でした。音が文字を通じて耳に届くような文章でした。本当に素晴らしい。

 

そしてこの物語の構成も最高でした。調律師としての自分の才能に疑問を持つ外村が、高校生の双子の姉妹と出会うことで変化していきます。双子はどちらも素敵なピアノを弾きます。でも外村はどちらかといえば姉に才能を感じていました。

 

ある日、妹が病気でピアノを弾けなくなります。普通に手が動くのに、ピアノを弾こうとすると指が動かせなくなるのです。悲しんだ姉は、自分もピアノをやめようとします。ところが悩み苦しんだ末、姉はプロのピアニストになることを宣言します。そして妹はそんな姉を支えるために調律師になることを決心します。

 

姉の和音(かずね)が最高の音を出せるピアノを調律したい。そう願った外村が調律師として自分の壁を越えていこうとする姿に感動しました。とにかく最初から最後まで心がほっとする物語です。こんな小説があるとは思いもしませんでした。

 

双子の姉の和音は、どれだけピアノの練習をして疲れません。努力しているという意識なしに、長時間の練習を続けることができます。そのことを知った外村の心の声に、わたしはうん、うんと頷きました。

 

〜以下抜粋

 

和音が何かを我慢してピアノを弾くのではなく、努力をしているとも思わずに努力をしていることに意味があると思った。努力していると思ってする努力は、元を取ろうとするから小さく収まってしまう。自分の頭で考えられる範囲内で回収しようとするから、努力は努力のままなのだ。それを努力を思わずにできるから、想像を超えて可能性が広がっていくんだと思う。

 

〜以上抜粋

 

こんな心が揺さぶられる文章であふれている小説です。直木賞候補になるのは当然ですね。宮下さんの他の作品も読んでみようと思います。新しい作家との出会いは楽しくて幸せです。

 

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高羽そら|たかはそら(作家、小説家)プロフィール

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高羽そら(たかはそら)
今後の目標:毎年1つの物語を完成させたいと思います。
生年月日:昭和37年5月10日
血液型:A型
出身地:京都市

【経歴】
1962年京都市生まれ。数年前に生活の拠点を神戸に移してから、体外離脱を経験するようになる。『夢で会える 体外離脱入門』(ハート出版)を2012年1月に出版。『ゼロの物語Ⅰ〜出会い〜』、『ゼロの物語Ⅱ〜7本の剣の守り手〜』、『ゼロの物語Ⅲ〜次元上昇〜』の3部作を、2013年7月〜12月にかけて、オフィスニグンニイバよりAmazonのKindleにて出版。現在も新たな物語を執筆中。

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