わたしのトーテムはガラス戸
明日の夜まで西日本では、夏のような湿った暖かい空気が入り込んでくるそうです。昨日と同じように、今日も蒸し暑い1日だったと思います。昨日の京都は29度まで気温が上がったそうですからね。
でも自宅にいると、意外に過ごしやすい。朝の掃除の時に少し汗ばみましたが、静かに仕事をしている分にはちょうどいい気候です。先週に涼しくなったタイミングで衣替えをしましたが、ちょっと早まったかなぁと思くらいの気温ですけれどね。
最近気になっているのがボブ・ディラン。わたしはどちらかといえばボブ・ディラン世代ではないので、1枚だけ聞き込んだアルバムはありますが、その程度です。何が気になっているかと言いますと、ノーベル文学賞に対する彼の反応です。
受賞が決まった直後のライブで何も触れず、スウェーデン・アカデミー側も連絡が取れない状態だとか。もしかしたら授賞式には欠席する、あるいは受賞自体を拒否するのでは、という憶測も出ています。過去にはサルトルが唯一文学賞を辞退しているらしいですね。
何となく超然としていてかっこいいなぁと感じています。単なる無愛想ではなさそうですものね。何か明確な信念があるのなら、いつか公にしてくれるだろうと期待しています。ここまできたら、今さら嬉しそうに授賞式に出席するのは不自然ですからね。どうなるのか楽しみです。
さて、今日は懐かしい映画を観ました。何度観たのか思い出せないほどです。これこそ明晰夢、という映画です。
『インセプション』という2010年のアメリカ映画です。あまりに有名な映画ですし、過去のブログでも触れたことがあるので内容は割愛します。とにかく普段から頻繁に明晰夢を見ているわたしからいえば、その世界をかなり忠実に描いた映画だと思います。もちろん映画としての面白さを追求するために、デフォルメされている部分はありますけれどね。
レオナルド・ディカプリオが演じているコブが、アリアドネという若い女性に対して明晰夢の仕組みを説明しているシーンが大好きです。あのシーンを真似て、わたしの明晰夢で周囲の景色を吹き飛ばしたり、突然に橋を出現させて遊んだことがあります。
夢だと気づいた瞬間に、周囲の人たちが自分を見つめるのも同じです。「あっ、こいつ夢だとわかりやがったな!」という視線が集まってきます。慣れるまでは気持ち悪かったですが、こちらに余裕ができるようになると、じっくり観察したり話しかけると面白いことがありますよ。
そしてコブが使っていたトーテム。彼の場合は鉄のコマでした。現実世界へ戻った時に、そこが夢でないことを確かめるアイテムです。映画を観たことがない方のために説明しておきますと、現実世界のコマならいつかは倒れます。でもそこが夢の世界なら、いつまでも回り続けるわけです。
わたしの場合、明晰夢や体外離脱の世界から戻ってきて、トーテムのようなアイテムが必要だと思ったことはありません。現実世界とは強く結びついていますから、戻ってきたらすぐにわかります。
でも逆に明晰夢や体外離脱の世界へ入った時、そこが本当のその世界なのか確かめることは必ずやっています。そうしないとあまりにリアルなので、現実世界と区別がつかなくなるからです。わたしのトーテムはガラス戸ですね(笑)
体外離脱をすると、必ず自宅のリビングのガラス戸までやってきます。そこに思い切り頭をぶつけるのです。そのまま首だけがバルコニーに出たら、間違いなく明晰夢や体外離脱の世界です。そうすると10階のバルコニーからジャンプしても落下することはありません。持ち歩けないトーテムなので、ちょっと不便ですね〜〜!
ラストシーンで、コブがずっと会えなかった子供たちと再会するシーンがあります。夢のなかでは決して振り向かなかった子供たちが、ラストだけは振り向きます。その子供たちと会う直前、コブはコマを回します。夢かどうかを確かめようとしているのです。
でも子供たちが振り向いても、コマは回り続けた状態で映画はエンドロールになります。これは最高にいいシーンです。もしコマが倒れなかったら、そこはまだ夢の世界だということです。でもコブはコマを回すだけで、確認をせずに子供達の元へ駆け寄ります。
もし夢だとしても、決してこの世界からどこへも行かない。そういうコブの決意が現れているのだと思います。だからコマはどちらでもいいのです。コマが倒れたらハッピーエンドになった現実世界ですし、回り続けたとしても、コブは子供たちとその世界で暮らすことができるわけですから。
いい映画は何度でも観ることができます。もし一度もこの映画を観たことがない方がおられたら、ぜひご覧になってみてください。明晰夢の世界がよく理解できます。現実世界の意識を維持したまま、夢のなかから、さらに別の夢の世界に入るという映画です。でもそれは実際に可能です。わたしは何度も経験していますからね。
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