恐怖って麻痺するんだね
またまた今日も秋晴れの神戸です。それも文化の日の祝日ですから、行楽地は賑わったことでしょう。わたしはあいも変わらずいつもの生活です。断食明けの今日は買い物に行って、いつもの時間に戻ってきて、そして午後から仕事をしていました。
新しい長編を書き始めているのですが、やっぱり楽しい! 実際にスタートするまでは、意外に時間がかかります。おおまかなプロットが決まっても、場所をどこにするのか、職業をどうするのか、年齢をどうするのか。こうしたことで調べ物が一気に増えます。
特に関西に暮らしていると、関東の土地勘がありません。それならば関西を舞台にすれば楽なのですが、関西弁を避けて通ることができません。小説の内容によっては関西弁を使いたくないので、そうするとどうしても舞台を関東に持ってこなければいけません。
それでも今はネットがあるので便利です。行ったことがない場所でも、おおよそのイメージを持つことができます。さらに職業等についても実際の経験者の言葉をネットで知ることができますので、インタビューの手間が省けます。そう言う意味では取材がしやすくなっているのは確かですね。とにかく年内は新しい小説に集中して、作品作りを楽しみたいと思っています。
さて、人間の感覚って絶対的なものだと思いますか? 例えば子供のころに怖い映画を観て、それを大人になってから観たらどのように感じるか? 新しい刺激に接することがなければ、その恐怖は絶対化して残るかもしれません。でも未知の恐怖を経験することで、過去のものが頼りなくなることがあります。七味が辛いと思っていたのに、ハバネロソースを経験して七味が頼りなくなるような感覚です。昨日観た映画で、そんな経験をしました。
『羊たちの沈黙』(原題 The Silence of the Lambs)という1991年公開のアメリカ映画です。アカデミー賞を5つも受賞した作品ですから、当然過去に観ています。でもあまりに気持ち悪くて、2度ほど観てから敬遠していました。
でも最近になって映画の続編が作られているので、あのアンソニー・ホプキンスが演じたサイコパスのレクターのことが気になりました。この映画で最後に脱走してから、どのような事件が起きたのか知らないからです。でも気持ち悪い映画ですから悩みましたが、もう一度映画の原点であるこの作品を観ようと思いました。そして観てみると……。
あれ? 別に怖くないし。ちょっと気持ち悪いですが、大したことありません。それどころかレクターとジョディ・フォスターが演じたクラリスとの会話に引き込まれてしまいました。こうして何年も経過してから見直してみると、確かにめちゃめちゃ面白い映画です。過去に観た時は、怖さや気持ち悪さに意識が囚われていて、映画の面白さを見逃していたように思います。
あまり怖くなくなった理由を考えていました。そうすると思いついたのが海外ドラマです。海外ドラマにハマった時期がありまして、『CSIシリーズ』や『クリミナル・マインド』というドラマをずっと観ていました。特に後者の『クリミナル・マインド』というドラマは強烈です。
FBIのプロファイラーが主人公なので、凶悪な連続殺人事件が常にテーマとなります。それもかなりエグい。サイコパスや狂人が毎週登場します。そして遺体の美術もリアルで、本物の死体のように見えます。そんな気持ち悪さに慣れてしまって、1991年のエグさに対してどうやら麻痺してしまったようです。海外ドラマでハバネロソース級の映像を見慣れてしまったからでしょう。
ですからとても冷静にこの映画を見直すことができました。ということで早速、レクターの研究に入ることにしました。このシリーズに関する原作が4冊出ているので、まずはそれらの本を読破しようと思います。そうしてから、順に映画を観るつもりです。サイコパスとしてのレクターという人物は、とても興味深いですからね。図書館で最初の2作を予約しましたので、手元にやってくるのが楽しみです。
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