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高羽そらさんインタビュー

レクターは癒しの天才

今朝は久しぶりに1桁の最低気温となりました。でも昼間は少し冬型の天気が緩んだようで、風が穏やかで過ごしやすい気候でした。

 

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この時期はいろいろな種類の椿が綺麗に咲いているので、散歩しているだけで目の保養になります。春や夏に咲く花は多いですが、この写真のように冬が好きな花もあります。これからはシクラメンも本番ですし、年が明けて2月ころになれば梅が咲きます。1年を通して様々な種類の花が楽しめるのは、四季がある日本だからこそですね。

 

さて、昨晩に読了した本です。

 

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『ハンニバル』トマス・ハリス著という本です。

 

かなりの長編でして、文庫本の上下巻を合わせて800ページほどになります。『レッド・ドラゴン』『羊たちの沈黙』に続く、レクター博士シリーズの作品です。

 

これはこのシリーズで最高の作品でした! それまでの作品は連続殺人犯人を追っていくというストーリーが中心をなしていますが、この作品はまったく違います。ハンニバル・レクターという人物について、徹底的にフォーカスされています。

 

『羊たちの沈黙』から7年後が物語の舞台です。当時はFBIの訓練生だったクラリス・スターリングも、一人前の捜査官です。彼女の心に常にあるのは、7年前に看守や警察官を殺して逃亡したレクター博士でした。

 

そしてそのレクター博士に半殺しの目に遭わされたメイスン・ヴァージャーという大富豪も、全財産をかけて彼の行方を追っています。警察に捕まって死刑になることでは納得できません。生きたままレクター博士をとらえて、残忍な方法でなぶり殺しにすることを生涯の生きがいとしていました。

 

レクター博士はイタリアのフィレンツェに潜んでいました。整形して他人になりすまし、貴族の文献を管理する司書の仕事に就いていました。ところがある刑事によってその素性を知られ、再び殺人を犯してアメリカに戻ることになります。

 

そこで復讐を誓うメイスンは、FBIでクラリスの上官にあたるクレンドラーを買収します。クラリスに強い関心を抱いているレクター博士をおびき寄せるために、彼女に濡れ衣を着せて休職に追い込みます。その結果、レクター博士はメイスンに捕らえられてしまいます。

 

でも博士を救ったのはクラリスでした。休職中でありながらメイスンの農場に潜入して、命がけでレクター博士を救います。幼いころに父を亡くした彼女は、強いファーザーコンプレックスを持っています。レクター博士に父の面影を重ねていました。

 

そこから先はこの小説の真髄に入ります。瀕死の状態になったクラリスを連れて、レクター博士は逃亡します。そして彼女の命を助けるのです。と同時に、クラリスが抱えていた父への思いを癒します。麻薬を使用することによって父の幻影と会話をさせ、彼女の閉じた心を解放するのです。

 

さらにレクター博士自身も、大きなトラウマを抱えています。幼いころに自分の妹が惨殺されたことが、彼を狂気に走らせていました。その妹の姿とクラリスを重ねることで、自らのトラウマも癒してしまうのです。レクター博士は殺人鬼であり食人鬼ですが、同時に癒しの天才でもあります。

 

そして互いの心の傷を癒した2人は二度と元の世界に戻ることなく、有り余る資産で悠々自適に暮らすという結末です。クラリスはレクター博士によって暗示をかけられているわけですが、決して不幸ではありません。閉じた心を解放されて、とても幸せそうに暮らしています。

 

これをハッピーエンドと言っていいのかわかりませんが、とにかく人間の内面が強烈に描かれた物語です。特にレクター博士の過去には、心が痛くなります。読んでいるだけでその苦痛と苦悩が伝わってくるようでした。

 

圧巻なのは博士が脳に有している『記憶の宮殿』です。どれだけの拷問を受けようとも、刑務所で拘束されようとも、彼は平然としていられます。なぜなら彼の意識は『記憶の宮殿』で過ごしているからです。自分のこれまでの人生で蓄積した経験や記憶がいくつもの部屋に分かれています。

 

一度でも見た絵画はそこにあり、絶景もそこで追体験できます。トマス・ハリスのその描写があまりに素晴らしくて、心を奪われてしまいました。一緒に暮らすことになったクラリスにも、レクター博士は『記憶の宮殿』を作らせています。

 

ということで次はこの作品の映画です。この強烈なレクター博士の心の内面を、どのように映画化したのか興味津々です。果たして映像にできるのでしょうか?

 

映画のレクター博士は、もちろんアンソニー・ホプキンスが演じています。クラリスは『羊たちの沈黙』ではジョディ・フォスターでしたが、この映画ではジュリアン・ムーアが演じているそうです。めちゃ好きな女優さんなので、彼女のクラリスが楽しみです!

 

明日は妻の外出に便乗して、TSUTAYAに寄ってきます。少しでも早くこの映画を観たいですからね。さらにレクター博士の生い立ちを描いた『ハンニバル・ライジング』という本も図書館で予約しました。これも小説を読了したら、映画化されている作品を観る予定です。とにかく小説としてのこの作品は、一生わたしの心に残るほどの名作でした!

 

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高羽そら|たかはそら(作家、小説家)プロフィール

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高羽そら(たかはそら)
今後の目標:毎年1つの物語を完成させたいと思います。
生年月日:昭和37年5月10日
血液型:A型
出身地:京都市

【経歴】
1962年京都市生まれ。数年前に生活の拠点を神戸に移してから、体外離脱を経験するようになる。『夢で会える 体外離脱入門』(ハート出版)を2012年1月に出版。『ゼロの物語Ⅰ〜出会い〜』、『ゼロの物語Ⅱ〜7本の剣の守り手〜』、『ゼロの物語Ⅲ〜次元上昇〜』の3部作を、2013年7月〜12月にかけて、オフィスニグンニイバよりAmazonのKindleにて出版。現在も新たな物語を執筆中。

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