人生という舞台を駆け抜けた男
今の季節の朝は雲の出ることが多いのですが、今朝は雲ひとつありませんでした。ですから大阪方面の山の稜線から太陽が顔を出した時、わたしも妻も朝食の用意を忘れて見とれていました。それほど美しい朝日でした。あまりに美しすぎて、写真を撮ることも忘れていました。
午後から少し雲が出てきましたが、正月明けの3連休としては最高の行楽日和だったと思います。わたしはあいも変わらず自宅に引きこもり、パソコンの発熱で膝を温めている1日です(笑)
今日は1月7日なので、京都の祇園では舞子さん芸妓さんが通う、学校法人八坂女紅場学園の始業式です。正装した芸舞妓さんが稲穂のかんざしをつけて、祇園甲部歌舞練場に集合します。土曜日なので、大勢の素人カメラマンの人が歌舞練場に集まったことでしょう。
わたしは在職中に歌舞練場の舞台に立って始業式の司会をしていましたので、1年で最も緊張してバタバタする1日でした。女性職員は和装を義務付けられていますので、妻はまだ暗い時間帯に家を出ています。のんびりと七草粥を食べた記憶がない時期でした。
でも今日のお昼は、熱々のお粥をいただきました。昨年から七草をやめています。だって高いばかりで、たいして美味しくないですからね。今の時期は水菜がとても安くて美味しいので、去年からすっかり水菜粥にハマっています。今年もめちゃ美味しい水菜のお粥をいただきました。
さて正月といえば、新春を祝って各地で歌舞伎の舞台が開かれています。そんな歌舞伎に関する映画を、今日の午後に観ました。
『映画 中村勘三郎』という2013年に公開された映画です。
2012年の12月に亡くなった中村勘三郎さんを偲んで作られた作品です。フジテレビで20年前の勘九郎さん時代から撮影している映像を、映画として再編集されたものです。ずっと観たいと思っていましたが、昨日BSで放送されていたのですぐに録画をしました。
このドキュメントはほぼ毎年見ていましたから、現在の中村勘九郎さんや、中村七之助さんの子供時代から知っています。だからとても懐かしい映像もありました。映画としてとてもうまく編集されていて、初めて観る方でも勘三郎さんの歌舞伎役者としての魅力を堪能できると思います。
とても気さくで笑顔を絶やさない方ですが、稽古中や舞台での表情は鬼気迫るものを感じます。本物の役者というものは、これほど凄まじいエネルギーを放っているものなのか、と実感させてもらえました。
でもあまりに早い死です。亡くなった時は57歳ですから、まだまだ歌舞伎役者としてこれからの人だったと思います。とてつもない俊足で、人生という舞台を駆け抜けて行った人だと感じました。
それでも息子さんの二人が、若手の歌舞伎役者として自立し始めていた頃なのでよかったと思います。わたしは二人とも大好きですので、これからも応援していくつもりです。昨年もこの一家のドキュメントを見ましたし、今年は2月3日に放送されるそうです。とても楽しみにしています!
早世したといえば、勘三郎さんの後を追うように、その2ヶ月ほど後に市川團十郎さんが亡くなっています。市川海老蔵さんのお父さんですね。わたしは海老蔵さんの大、大、大ファンでして、明後日の9日には海老蔵さん一家のドキュメントが放送されます。この番組も、当然ながら毎年欠かさず見ています。
海老蔵さんは奥さんの麻央さんが闘病中であることを、昨年公表されました。けれども、まだ小さな子供二人を抱えて、歌舞伎のために全力を尽くされています。こうした若い世代の方が必死で古典芸能を守ろうとされていますから、歌舞伎が日本の文化から消えることはないでしょう。それどころか日本だけでなく、今以上に海外へ広がっていく可能性を持っていると思います。
歌舞伎というのは、やはり劇場で見るものだと思います。一度でも体験すると、その素晴らしさが理解できるはずです。今日のような映画を観ていると、自分なりににカブクことを意識していきたいと思いました。カブける小説を書いていきたいです!
『高羽そら作品リスト』を作りました。出版済みの作品を一覧していただけます。こちらからどうぞ。