究極の成りすまし
天気予報どおり寒波です。さすがに神戸は、今のところ雪は降っていません。散歩していて、ちらつく雪を一度見た程度です。ほぼ晴天と言っていい天気でした。
ところが風が半端なく強い。神戸は六甲おろしで知られているほど風の強い地域ですが、慣れているわたしでも驚くほどの風でした。北に向かって歩いていると、何度も後ろに引き戻されそうになりました。まるで台風並みの風です。
それでも今夜から明日にかけては、神戸も積雪があるかもしれません。今夜も冷えそうですから、温かい食事とお風呂で、身体をポカポカにして過ごしたいと思っています。
さて、気になっていたドラマの録画を見ました。アドラー心理学の入門書である『嫌われる勇気』というベストセラー書籍をドラマ化したものです。といってもそのエッセンスを使っているだけで、実際は刑事ドラマになっています。
初回を見た印象は、甲乙つけがたいというのが本音です。スルーするほどつまらないわけではありませんし、かといってこれは見るべきだと感じるほどの内容でもありません。刑事ドラマとしてもコミカルな要素ばかりが目立って、中途半端な印象でした。
アドラー心理学を椎名桔平さん演じる大文字博士が語るのですが、いちいち語句説明の字幕が出てちょっとウザい。やはりドラマで心理学を語るのは難しいのかなぁ、と感じました。
でも、香里奈さんが演じる主人公の庵堂蘭子というキャラは面白い! 生まれ持ってアドラー心理学を体現している人物として登場しますが、とりあえずドラマのキャラとして面白く見ることができました。もう少し続けて見る予定ですが、最終回まで見るかどうかは今後次第ですね。
視聴者としてはドラマを簡単に批評しますが、実際に演技する俳優さんというのは大変な仕事だと思います。本気で他人になるわけですから、誰にでもできる仕事ではありません。ある意味成りすますのが仕事ですが、究極の成りすましを見せてもらえる映画があります。
『フェイス/オフ』という1997年に公開されたアメリカ映画です。ジョン・ウー監督の作品のなかでは、トップにあげていいほどの映画だと思います。数えきれないほど観ていますが、昨日久しぶりにじっくりと鑑賞しました。
写真を見ればわかりますが、ジョン・トラボルタとニコラス・ケイジの主演です。二人は凶悪な犯罪者と刑事なのですが、顔が完全に入れ替わってしまうことになります。雇われテロリストであるニコラス・ケイジ演じるキャスター・トロイは、昏睡状態で逮捕されます。
ところが細菌爆弾が仕掛けられていて、その場所を知っているのは刑務所に入っているキャスターの弟だけです。そこで昏睡中のキャスターの顔を引き剥がして、ジョン・トラボルタ演じるショーン・アーチャーに移植するという設定です。
1997年時代の現代ドラマなのに、顔を張り替えることができるというSF的な発想には違和感があります(笑) まぁ、そこは置いておくとして、これほど面白い映画はありません。
意識を取り戻したキャスターは刑事のショーンに成りすまして、本物のショーンを潜入先の刑務所から出られないようにします。潜入捜査の事実を知っている人物をすべて殺してしまうからです。だからショーンの奥さんも別人だと知らず、成りすましの男とベッドを共にすることになります。
とにかくこの映画が面白いのは、二人が入れ替わってからです。顔がニコラス・ケイジなのに、雰囲気はどう見てもジョン・トラボルタです。反対に顔はジョン・トラボルタなのに、その演技はニコラス・ケイジなのです。
二人が事前に互いの演技をビデオで徹底的に研究したからこそ、リアリティの高い作品になりました。でも並みの俳優さんにはできないことですよね。この二人だからめちゃ楽しめる映画になっています。
ショーンの奥さん役を演じている、ジョアン・アレンも最高です。彼女だからこそできる役だと思います。伏線がうまく貼られている映画なので、何度見ても楽しむことができる作品です。究極の成りすましを見たい方は、めちゃオススメの映画ですよ〜!
『高羽そら作品リスト』を作りました。出版済みの作品を一覧していただけます。こちらからどうぞ。