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高羽そらさんインタビュー

奇跡の脳

本との出会いは不思議なもので、想像もしないところから貴重な情報をいただくことがある。

 

少し前にブログの読者の方からコメントをいただいて、あるサイトを紹介してもらった。アメリカの医学博士の女性が講演している動画で、人間の脳に関するものだった。

 

その内容にとても興味を持ったので、この女性のことが知りたくなった。すると彼女の貴重な経験が本になって世に出されている。ボクはすぐに飛びついた。

 

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それは『奇跡の脳』ジル・ボルト・テイラー博士 著という本。

 

彼女の専門は神経解剖学で、脳に関しても深い知識を有している。ハーバードの医学校で研究を進めながら、若い学生に医学を教えていた。

 

ところがそんな著者が1996年12月に脳卒中を発症する。脳の専門家である医学博士によって、患者としての脳卒中に体験について書かれた貴重な書籍だ。

 

まだ37歳の若いときだから、やや特殊なケースだったらしい。脳の動脈と静脈は毛細血管を通して連絡しているが、それが直接繋がっていることにより起きた脳卒中だった。

 

脳卒中で圧倒的に障害を受けるのは左脳らしい。だから左脳の機能が消えて行くとき、どのような状況になるかを専門家の体験として知ることができる。著者は大変な手術を受けて無事に生還したが、同じ研究職に戻るまでに8年の年月を費やすことになった。

 

そうした記録としても、十分に読み応えのある本だと思う。だけどそれだけではない。人間の意識に関して、とても貴重なことがこの本には書かれている。

 

博士が脳卒中になって左脳の機能を消失したとき、右脳は働いていた。

 

では人間がその状態になったとき、どうなると思うだろうか?

 

その状況を一言で説明するならば、『悟り』ということになる。

 

そこには心の平和、平安があり、自分という『私』の境界線が存在していない。すべてが一つであるというワンネス意識しか存在せず、自分と宇宙が同じものだと明確に感じられたとのこと。

 

それは人間の本来の状態であることが、著者はすぐにわかった。そして永遠に戻りたくないとまで感じたらしい。

 

人間は常にワンネスであることが証明された体験だった。でもボクたちはそれを実感することができない。なぜだろう?

 

それは左脳が正常に働いているから。

 

一般的な左脳の機能としては、計算や文章等の能力に関連していることが知られている。事実著者は脳卒中になったとたん、自分の意識から数字の概念や言葉が消えてしまったことを確認している。

 

でもそれだけではない。左脳は『時間』にも関わっている。過去や未来という時間の流れは、左脳で知覚されている。だから左脳の機能を失うと、『今』しか存在していないと感じる。物事を時系列で考えることができなくなる。

 

それはつまり、『自我』の消滅を意味していた。人間に自我が存在るのは、左脳が時間を知覚しているからなんだ〜!

 

著者の言葉を見てみよう。

 

「頭の中でほんの一歩を踏み出せば、そこには心の平和がある。そこに近づくためには、いつも人を支配している左脳の声を黙らせるだけでいい」

 

左脳が働かないと、思考は言語化されない。言葉で考えなくなるらしい。そして同時に自分はここからここまでと仕切っている肉体の境界線が消え、周囲の空間と区別できなくなる。

 

自我が消えるということは、他者との境界線が消えてしまう、ということ。

 

「左の言語中枢が沈黙してしまい、左の方向定位連合野への正常な感覚のインプットを妨げられたとき、わたしに何が起きたのかを、神経学的に説明することができます。わたしの意識は、自分自身を固体とし感じることをやめ、流体として認知する(宇宙とひとつになったと感じる)ようになったのです」

 

この本を読んで驚くと同時に、とても納得できた。やっぱりそうだったんだ、となぜかワクワクして嬉しくなった。

 

人間として現実世界で活動しているとき、ボクたちは二つの状態を同時に経験している。右脳のワンネスと左脳の自我だ。

 

瞑想やある種のトレーニングを積んだ人は、左脳の自我を沈黙させることができるのだろう。そうすることによって、この著者が経験したことと同じ状態へ意識的に至ることができる。それが意識の覚醒や悟りと呼ばれているものの、正体かもしれない。

 

つまり本質的に誰でも持っているものだということ。だけど左脳が強く働くことによって、過去や未来という時間の世界に縛りつけられてしまう。だから右脳が経験しているワンネスを知覚することができないのだろう。

 

ボクがこの本を読んで感じた感覚を、この短いブログで伝えることは難しい。できればこの本を読んでもらうのがいいと思う。そうすればその意識状態がどのようなものなのか、医学の専門家の立場から知ることができる。

 

著者は脳卒中から立ち直ったとき、自分の左脳がコントロールできることを発見した。過去と同じ自分に戻る必要がないことを学んだらしい。

 

つまり『自我』は習慣や経験によって、作られた幻想であるということ。

 

例えば怒りの感情を感じると、全身に怒りに関する物質が流れる。ところがそれは90秒で消えてしまう。

 

もし何かの出来事でカッと頭に血が上っても、90秒後にはその怒りを感じる物質は存在していない。だから怒ることをやめることができる。90秒だけ待って、その後もそれを続けるか、それともちがう自分になるかは自分次第なんだ、と著者は脳卒中を通じて知った。

 

だから過去に嫌だと思った自分を、再び経験する必要がないことを彼女は知っている。右脳が常に経験しているワンネスの状態を知っているから、自分が戻るべき場所もわかる。左脳をうまくコントロールすることで、この現実世界を円滑に過ごすことができるようになるとのこと。

 

とにかくかなりオススメの本。今までの固定観念が吹っ飛ぶはず。ブログにコメントをしてくださった方に、心からの感謝を伝えたいと思う。

 

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高羽そら|たかはそら(作家、小説家)プロフィール

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高羽そら(たかはそら)
今後の目標:毎年1つの物語を完成させたいと思います。
生年月日:昭和37年5月10日
血液型:A型
出身地:京都市

【経歴】
1962年京都市生まれ。数年前に生活の拠点を神戸に移してから、体外離脱を経験するようになる。『夢で会える 体外離脱入門』(ハート出版)を2012年1月に出版。『ゼロの物語Ⅰ〜出会い〜』、『ゼロの物語Ⅱ〜7本の剣の守り手〜』、『ゼロの物語Ⅲ〜次元上昇〜』の3部作を、2013年7月〜12月にかけて、オフィスニグンニイバよりAmazonのKindleにて出版。現在も新たな物語を執筆中。

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