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高羽そらさんインタビュー

おおかみこどもの雨と雪

やっと晴れた。朝から太陽を見るのは、ずいぶん久しぶりのような気がした。

 

まだ気温は低めだけれど、ようやくお花見気分になってきた。今朝のブログで書いたとおり、北朝鮮情勢は気になるところ。だからといって、どうしようもない。

 

仕事はしなければいけないし、ぼんやりしていても桜が散ってしまうだけ。とにかく緊張感を保ちつつ、日常を過ごしていくしかないと思う。

 

あまりにいい天気なのでバルコニーへ出ると、眼下に見える公園の桜が満開だった。

 

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まだまだ大丈夫。週末はまた天気が下り坂のようだから、明日あたりは気温も上がってお花見にいいかもしれない。

 

でも面倒なことに、明日はマンションの消防設備の点検日。午前中は時間を取られてしまう。そしてその翌日は排水管の清掃なので、これまた午前中は足止めを食らってしまう。

 

仕方ないから、そのあいだは仕事をしようと思っている。今日中に最初の区切りをつけるつもりなので、明日からは第2弾の仕事が待っている。と言いつつ、まだ区切りがついていないから、今夜は読書時間を削って残業するしかない。

 

なぜそうなったかと言えば、午後から映画を観ていたから。またその作品が想像していたより面白かった。

 

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『おおかみこどもの雨と雪』という2012年のアニメ映画。先日民放で放送されたいたのを録画して、ようやく観ることができた。

 

監督は細田守さん。昨年に観た『バケモノの子』という映画が気に入ったので、この作品も観ようと思っていた。

 

設定がいいよね。語り手は娘の雪だけれど、主人公は母親の花。彼女が大学時代に好きになった男性が、実は狼男だった。

 

だけど花は彼と恋愛して、学生ながらも雪という長女と、雨という長男をもうける。当然なが二人の子供は父親の血を引いて、狼人間だった。その二人の子育てに奮闘する、母親の物語。

 

賛否両論あるかもしれないけれど、ボク的には大好きな作品。まずは子供たちが可愛すぎる。興奮すると狼になってしまったりするのが最高! とにかくかなり笑わせてもらえた。

 

長男が生まれた直後に父親は死んでしまう。つまりシングルマザーで子育てをすることになる。おそらくこの時点で冷めてしまう人が多いのではないだろうか?

 

だってリアリティがなさすぎるからね。父親は必死でトラックの運転手をしてお金を貯めていた。だけど貯金を取り崩して生活できるほど裕福には見えない。現実のシングルマザーはもっと過酷だと思う。

 

そのうえ子供たちに人間でいるか、それとも狼でいるかを選ばせるために、人里離れた田舎に暮らすというのもさらに無理がある。だってあれだけの過酷な農作業を、子供を二人も抱えた若い女性ができるとは思えない。

 

それらをふまえたうえでも、ボクはやっぱりこの映画が好きだ。なぜならちらっとだけれど、花のそうした行動の理由が隠されているような気がしたから。

 

花という主人公の過去は、あまり詳しく語られていない。想像できる範囲では、父親に育てられ、いつも笑顔でいるように言われたということだけ。だからどれだけ辛いことがあっても、笑顔でいようとする。

 

ボクはその彼女の背景に、これだけ過酷な状況を生きるだけの強さと意地が、隠されているように感じられた。映画では見えないけれど、想像力が入り込む余地が残されていたように思う。だから花という女性の行動を、ボクは受け入れることができた。

 

そして狼男の父親の突然の死は、動物としての命の限界から想像できる。狼男とはいえ、動物としての生き方に意識が傾けば、長生きしても15年ほどだろう。もしかしたら花の夫は、動物としての本能が強かったのかもしれない。

 

それは長男である雨の行動に表れている。彼がわずか10歳で狼として生きようと決めたとき、大人である母を抱えて、山中で遭難しているのを助け出すことができた。動物としての視点から見れば、10歳は立派な成人だ。我が家のミューナと同じ年齢だから、すでにオヤジだと言ってもいいw

 

映画では語りきれないことが多いので、もしかするとダメな人は苦手な作品かもしれないね。ボクは最後に泣いちゃったけれど。

 

日本人がアメリカで生まれると、成人したときに国籍を選べると聞いたことがある。この物語はそれと似た状況を思い起こさせる。

 

成長するにしたがって、人間として生きるか、それとも狼として生きるか?

 

長女の花は人間としての道を選んだ。弟の雨は狼として自然に戻ることを決める。

 

それはどちらが正解なのかわからない。いやそもそも正解なんて、存在しないと思う。

 

本当に自分らしく生きるといういことは、どういうことなのか? そのことを問いかけた作品だと思う。

 

子供が大人になるにしたがって親の手から離れ、どう生きるかを自ら決めることになる。そんな親子の姿が描かれていると感じた。

 

まぁ現実的な話をすれば、50代になったって、自分らしく生きているかどうかは疑問に思う。きっと一生問い続けることなのだろう。

 

この映画の雪と雨も自分が決めた決断を、ときには信じ、ときには悔やむことがあるかもしれない。でもそうして悩みながら生きていくのが、人生なのかもしれないね。

 

この映画を観ていて、そんなことを思った。なんだか心がスキッとする、とても素敵な作品だった。

 

decoration/dcr_emoji_238.gif『高羽そら作品リスト』を作りました。出版済みの作品を一覧していただけます。こちらからどうぞ。

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高羽そら|たかはそら(作家、小説家)プロフィール

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高羽そら(たかはそら)
今後の目標:毎年1つの物語を完成させたいと思います。
生年月日:昭和37年5月10日
血液型:A型
出身地:京都市

【経歴】
1962年京都市生まれ。数年前に生活の拠点を神戸に移してから、体外離脱を経験するようになる。『夢で会える 体外離脱入門』(ハート出版)を2012年1月に出版。『ゼロの物語Ⅰ〜出会い〜』、『ゼロの物語Ⅱ〜7本の剣の守り手〜』、『ゼロの物語Ⅲ〜次元上昇〜』の3部作を、2013年7月〜12月にかけて、オフィスニグンニイバよりAmazonのKindleにて出版。現在も新たな物語を執筆中。

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