いい男は、どんな時もイケメン
朝からとんだ失敗をやらかした。気温が上がり、窓を開けて網戸にする時間が増えたので、少しホコリが気になった。朝の掃除のついでに綺麗にした。
だけどあまり深く考えずに行動したので、マスクをしていなかった。今の時期の網戸はホコリだけじゃなく、花粉や黄砂がへばりついている可能性がある。それをそのまま吸い込んだらどういうことになるか？
いうまでもなくアレルギー性鼻炎。
朝のブログを書き始めるころには、もう鼻がグシュグシュ。よく効く薬を常備しているけれど、昼間は避けたい。なぜなら強烈に眠くなるから。
仕事の予定は詰まっているし、昨日のブログで書いたように読むべき本も大量にある。左右の鼻の穴にティッシュを詰めて、ブログと仕事をなんとかこなした。だけどやはり限界。まったく集中できない。
あきらめてお昼に薬を飲んだ。今日は断食日なので、空きっ腹で飲みたくなかったけれど仕方ない。薬が効くまで仕事はできそうにないので、午後からいつものパターンで映画を観た。
『アフリカの女王』（原題：The African Queen）という1951年のアメリカとイギリスの合作映画。主演は写真のハンフリー・ボガードとキャサリン・ヘップバーンのふたり。
気になった映画なので録画しておいたけれど、それほど期待していなかった。古い映画だからね。薬が効くまでの時間潰しのつもりで観始めたけれど、これがめちゃくちゃ面白い。最後まで真剣に観てしまった！
舞台は第一次世界大戦が始まった直後の東アフリカ。キャサリン・ヘップバーン演じるローズは、兄とふたりでキリスト教の布教活動をしている。場所は人里離れた村で、戦争が起きたことも知らなかった。
そこへ小さな蒸気船で荷物を運搬している、ハンフリー・ボガード演じるチャーリーがやってくる。その船の名前が『アフリカの女王』で、この映画で大活躍することになる。
チャーリーから戦争が起きたことを知らされて間もなく、村はドイツ軍に占領される。村は焼かれ、村人は連行された。抵抗したローズの兄はショックで命を落とし、ローズはひとりきりになる。そんな彼女を救ったのがチャーリーだった。
だけど周囲はドイツ軍に包囲されている。船で逃げるとしたら急流の激しい川を下り、敵の基地をすり抜け、湖まで達するしかない。ところが湖には『ルイザ号』というドイツの戦艦がいて、味方のイギリス軍が近づくことを拒んでいる。
チャーリーは戦火が落ち着くまで、どこかで身を隠しているほうがいいと判断している。ところがローズは気丈な女性で、どうしてもドイツ軍に復讐したいと言う。
たまたま爆薬と酸素ポンベが船に積まれている。それを魚雷代わりにして『ルイザ号』を沈めることをローズは提案する。チャーリーはうなずきながらも、急流の怖さを知れば女性のローズは怖じ気づくだろうと、しぶしぶ船を出す。
そして二人の冒険が始まった。さてこの冒険の結末は？
気になる人は、ぜひともこの映画を観て欲しい。これはネタバレしないほうが絶対にいい。何も知らずに観るほうが、圧倒的に楽しめる映画。
40歳を過ぎた中年のふたりだけれど、美男美女であることに変わりはない。ハンフリー・ボガードの最初の登場なんか、写真のように無精髭でむさい雰囲気。でもいい男は隠せないんだよね。やっぱりどんな時でも、いい男はイケメンだ。
『カサブランカ』から10年近く経っている映画だけれど、この作品でハンフリー・ボガードは念願のアカデミー賞の主演男優賞を受賞している。この映画を観ると、その受賞が文句なしであることが容易にわかる。
シリアスな設定なのに、かなり笑える冒険アドベンチャー作品。ふたりの関係が変化していく過程も実に楽しい。そしてラストでは気分爽快になる。
この映画を観たおかげで、午後からの仕事がはかどった。薬で眠気を感じつつ、映画で興奮したので集中力が途切れなかった。この勢いで、今日の読書もノルマを達成しなければ〜！
『高羽そら作品リスト』を作りました。出版済みの作品を一覧していただけます。こちらからどうぞ。
