バカも徹底すると面白い
まだかろうじて５月なのに、今日は夏の雰囲気。引きこもりなので窓からの景色での感想だけれど、季節がグイッと先に進んでいるような気がする。衣替えをしておいてよかったかも。
昨日なんか散歩をしていると、鈴なりに実のなったビワの木を見つけた。これを見ると、いよいよ夏だと感じる。そのうち梅雨入りするんだろうなぁ。
これから６月の末までは、ちょっとバタバタしそう。やるべきことを俯瞰すると卒倒しそうだから、ゴールを意識しないで目の前のことを片付けていくだけ。とりあえずは今日やると決めたことを、確実にこなしていくしかない。
そうした積み重ねが、やがて何かを成すことになる。中途半端じゃなく、日々徹底的にやるのはとても大切だろう。
例えばB級映画だって、徹底することは必要。バカも徹底すると、かなり面白いことになる。そんな見本のような映画を観た。
『ときめきサイエンス』（原題: Weird Science）という1985年のアメリカ映画。
まずタイトルで引くよね。でもこのひどい邦題のほうがこの映画によく似合う。過去にビデオが出たときは『エレクトリック・ビーナス』に改められたらしいが、DVDになったときに『ときめきサイエンス』に戻されている。
とにかくありえないバカな映画。まったくモテない男子高校生のふたりが、コンピュータを駆使して理想の女性を作る。今でいえばオタクのふたりなので、ITの知識は高いという設定になっている。結果としてどこかのスーパーコンピューターをハッキングしてしまう。
その結果、電脳世界の存在でしかなかった理想の女性が、現実の人間になって登場する。ただ綺麗でスタイルがいいだけじゃない。頭脳はアインシュタイン並だし、戦えばプロレスラーのような実力を持っているスーパーウーマン。
どうしようもないふたりが、この理想の女性の力を借りて、大人になっていくというストーリー。ツッコミどころ満載だし、とにかくバカげている。でもついつい最後まで観てしまった。
なぜなら徹底しているから。そんなアホな、ということも続いていると、次第に笑えてくる。この映画の面白さは、観る人の心しだい。ボクはこの映画を楽しめる人となら気が合うと思う。
なぜならバカを楽しめるというのは、人間にとって大切なことだと考えているから。くそまじめに理屈を並べて、こんな荒唐無稽な映画は意味がない、とはねつけるのは簡単なこと。でもこのバカさを楽しめるという感覚を、ボクは大切にしたい。
この映画の見どころとしては、理想の女性であるリサを演じたケリー・ルブロックの演技。高校生から見たら色気ムンムンだけれど、常に自分たちのことを考えてくれる理想的な存在。その雰囲気がとてもいい感じだった。
タイプはまったくちがうけれど、『銀河鉄道999』のメーテルを思い出した。主人公の星野鉄郎にとってメーテルという女性は、この映画のリサと同じような意味合いを持っているような気がした。
そして驚いたのは、まだ若いロバート・ダウニー・Jrが、高校生の意地悪な役で登場していたこと。彼って子役だったんだね。調べてみたら映画に初出演したのは５歳のときになっている。知らなかった。
バカバカしい映画だけれど、徹底することの大切さを教えてもらえる。なかなか楽しかった。
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