SOLA TODAY Vol.279
ボクは過去に何度も転職している。その事情はいろいろだが、共通しているのは組織に属することが苦手なのだろう。
その苦手意識をさらに掘り下げると、そこに『何か』が見えてくるはず。
その『何か』を教えてもらえた記事を読んだ。あっ、そうだったんだ、と感じさせてもらえる素敵な記事なので、ぜひ読んでほしい！
この記事の著者の田中泰延さんは、電通のコピーライター、CMプランナーとして24年間も最前線で仕事をされてきた。最近興味を持って、彼のTwitterをフォローさせていただいている。
田中さんは電通を昨年退職されて、フリーライターとしてリスタートされている。会社を辞めた理由と無職になったことについて、こう述べられている。
『無職という響きは不安ではありますが、いま私は不機嫌な気分ではありません。不安は将来への原動力ですが、不機嫌は未来を壊してしまいます。私は会社を辞めたことで、自分を不機嫌にしていたものが減り、第二の人生に向けて機嫌よく生活を送れるようになりました。
私が勤めていたのは安定して高収入の大企業でしたが、思い切って辞めることにしたのは、「もっと機嫌よく生きたかった」からなのです』
機嫌よく生きたい、ということで田中さんは会社を辞められた。
そう、まさにボクもそうだった。不機嫌な人たちから逃げたかったんだ！
田中さんが小学校のエピソードを通じて、不機嫌が伝染することを語られている。詳しく知りたい方は、記事を読んでほしい。学校の教師が自分の不機嫌を、どのようにして子供にぶつけているのかがわかる。
それは社会に出ても同じで、組織のトップの不機嫌は、その社員全体に伝染していく。それはもっと広い目で見れば、社会全体に拡散していくだろう。田中さんは社会人になってもそれが続いていることを実感された。
『その後、社会人になった私は、ありとあらゆる形の「不機嫌の伝染」を目の当たりにします。たとえば満員電車。理不尽な命令。不本意な残業。どこで働いても不機嫌のタネは尽きることがありません。そしてその不機嫌は上司から部下へ、そして職場全体に蔓延します。
ひとりだけ機嫌よく鼻歌など歌っていようものなら「なぜお前は呑気にしているのか。みんなと一緒に不機嫌な顔をするのが空気を読むということだ」という無言の圧力すらかかるのが、日本の社会です』
そのとおりだよね。今の社会は不機嫌で満ちている。先日キレる高齢者の記事を紹介したけれど、まさにそのことを象徴している。たとえ仕事が大変でしんどくでも、機嫌よくやりたい。楽しみを見つけたい。だけどそういう雰囲気の職場は少ない。それは組織のトップが不機嫌だから。
『不機嫌なことに耐えて成功するより、機嫌が良ければもはや人生は成功である、というのが私の考えです』と田中さんは述べている。
この発想いいよね。ボクも同感。仕事がうまくいかなかったり、体調が悪いとき、つい不機嫌になりがち。でもボクはそんなときこそカラ元気でもいいから、つまらないダジャレを言ったり、変な歌を口ずさんで踊ってみたりする。
妻が不思議そうな顔で「元気やねぇ」という言うけれど、実は正反対。元気がないけれど機嫌よく過ごしたいから、必死で自分を鼓舞している。不機嫌の波に飲まれてしまうと、やりたいことが満足にできなくなってしまうから。
この記事に紹介されている、『不機嫌で人を動かすのは、赤ん坊。ご機嫌で人を動かすのが、おとなである』という言葉は秀逸。そういう大人でありたいと思う。オススメの記事なので、ぜひ読んでほしい。
『高羽そら作品リスト』を作りました。出版済みの作品を一覧していただけます。こちらからどうぞ。
