絶望から抜け出す方法
今日は梅雨の晴れ間で、午前中から午後にかけて太陽を見ることができた。明日も夕方くらいまでは雨の心配がなさそうなので、片づけなくてはいけないことをやるつもり。それは散髪。
今月は散髪月なんだけれど、仕事でバタバしていて先延ばしになってしまった。でもまもなく6月が終わってしまう。でも雨の日に傘を持って理髪店に行くのが嫌なので、週間予報を見ると明日しかチャンスがなさそう。
ということで朝から無精髭を剃った。普段は3〜4日に一度しか剃らないけれど、大抵は出かける前。ではどうして引きこもりの今日に剃ったかというと、明日に散髪に行かない言い訳を作らないため。
きっと不思議に思う人が多いだろう。無精髭なら理髪店で剃ってもらえばいいよね。だけどボクは散髪が苦手で、とにかく自意識過剰で神経がピリピリしている。あまり伸びすぎた無精髭だと剃ってもらうのが嫌で、数日して剃ったときに行こうと先延ばしにしてしまう。そんなささいなことでも行かない理由になってしまう。とにかく厄介な人間なんだよね〜w
だから言い訳できないように、今日のうちに剃っておいた。これで明日の朝に雨が降っていなかったら、もう先延ばしにする理由が見つからない。思い切って行くしかないだろう。やれやれ。
さて、今日はずっと観たかった映画をやっと観ることができた。そして思っていた以上に、素晴らしい作品だった。
『オデッセイ』(原題: The Martian)という2015年のアメリカ映画。まだ新しい映画なので、ネタバレなしないのでご安心を。
前評判として、NASAの技術者や科学者たちがうなるほど、科学的に忠実に作られた映画だと聞いていた。その評判に偽りなく、本当に素晴らしい作品で、ボク程度の知識の人間ならぐうの音も出ないほど、完璧に検証されていたと思う。素晴らしい!
ここ数年に観た『ゼロ・グラビティ』や『インターステラー』という宇宙映画に比べても、ストーリーに関して疑問に思うことがなく、圧倒的な説得力を持っていてツッコミどころがない。とにかく最後の最後まで、ハラハラドキドキしてばかりだった。
火星で他の5人とともに研究に携わっていたマーク・ワトニー。ところが火星で想定外の嵐が起き、任務を中断して地球へ戻ることになった。ところがマークは飛んできたアンテナにあたり、死亡したと思われて置き去りにされる。ところが彼は生きていた。
そこから驚くようなサバイバル生活が始まる。そして通信手段が断たれたものの、地球のNASAも彼が生きていることに気づく。双方が持てる限りの力を尽くすことで、マット・デイモン演じるマークを救おうとする物語。
この映画でもっとも感動したのが、マークという人間の強さ。普通は絶望しか持てず、精神が破綻して自殺してしまうような状況。それなのに彼は必死で生き延びる方法を考える。
最初に感じたのは『知識は武器』だということ。宇宙飛行士で植物学者でもあるマークの知識があったからこそ、彼は生き延びることができた。それがどのようなものか、これからこの映画を観る人に体験して欲しい。
さらに絶望から抜け出そうとするときの、マークの冷静な態度に心を打たれた。まずは問題点を明確にする。その優先順位をはっきりさせて、考えるべきことをリストにあげる。
そしてそれをひとつずつ解決している。これは簡単にできることじゃない。絶望が自分を取り込もうとしているのに、とにかく目の前の問題から確実に解決していこうとする。人間が絶望から抜け出すには、これしか方法がないのではないだろうか? 真剣にそう思った。
出演陣もとても良かった。昨日のブログで紹介した『ブライズメイズ』という映画に主演していたクリステン・ウィグが、NASAの広報役で出演していた。彼女を観たばかりだったので偶然にびっくり。
『スピード』でキアヌ・リーブスの相棒役をやったジェフ・ダニエルズが、NASAの長官役で出演していてなつかしかった。歳とったよなぁ。
そして笑ったのがNASAのディレクター役をやっていたショーン・ビーン。中国から秘密のロケットを使うことを提案されたとき、その秘密会議が『エルロンド会議』と名付けられていた。『ロード・オブ・ザ・リング』の秘密会議からとった名前。
ところがこのショーン・ビーンは、『ロード・オブ・ザ・リング』の秘密会議に人間代表のボロミア役で出演している。『オデッセイ』では緊迫した場面だったけれど、思わずニヤリとしてしまった。なかなか粋な演出だよね。
とにかく素敵な映画だった。さすがマット・デイモンと言いたくなるような作品。時間があれば、TSUTAYAに返却前にもう一度観ようと思っている。
『高羽そら作品リスト』を作りました。出版済みの作品を一覧していただけます。こちらからどうぞ。