星を継ぐもの
まだ近畿は梅雨明け宣言が出ていないけれど、時間の問題だろう。昨日も今日も、完全に梅雨明けの気温。めちゃ暑い。
昨日の散歩中に見つけたヒマワリも、「わたしの季節だよ〜!」と言っているように見える。うん、まちがいなくきみの季節だよ。
東海地方では記録的な大雨で、被害が出ているらしい。だけど神戸はポツリとも雨が降らない。祇園祭のクライマックスが近づいた京都も、おそらく晴れてとんでもない暑さになっているだろう。
ちょうど明日からの3連休で、宵々山、宵山、そして山鉾巡行と続くので、ものすごい観光客が集まるだろうね。夏の暑さだけでなく、人いきれだけでも鴨川が沸騰しそう。気にはなるけれど、とても神戸から祭りを見に行こうという気分になれない。
自宅にいて、じっくりと読書をしているほうがいい。そんな気分のときに最適な、昨晩読了した小説を紹介しよう。めちゃくちゃ面白い物語だった!
『星を継ぐもの』ジェイムズ・P・ホーガン著という本。1977年に出版された著者のデビュー作で、SFファンから絶賛されている物語。なかなか読む機会がなくて、ようやく昨日になって読み終えた。
とにかくすごい。読み始めたら止まらなくなる。古い作品だからネタバレしても問題ないだろうけれど、あえてやめておく。もしこのブログを読んで初めて読む人がいたら、かなり申しわけないことになるから。
絶対に予備知識なしに読むほうがいい。初めての驚きと感動を経験しなければ、この本を読む価値がないと思えるほど。それくらいビックリする。
舞台は2020年代の地球で、すでに一般人でも月旅行ができる。その月で、宇宙服を身につけた宇宙飛行士の遺体が見つかった。奇跡的な条件が重なって、かなり完璧なミイラとして遺体が回収された。見た目はどう見ても人間。
ところが放射線による解析を行うと、この人間は5万年前に月で死亡したことが確認された。5万年前だよ〜〜!
地球上の科学者が集められて、チャーリーと名付けられたこのミイラの研究が開始される。遺品にはチャーリーが使っていたコンピュータや手帳まである。もちろん5万年前の人間が書いたもので、地球上に存在する文字ではない。
物理学者、生物学者、言語学者等がグループを作り、チャーリーの謎を解明しようとする。その過程がめちゃくちゃ面白い。そして少しずつチャーリーの正体が明らかになる。物語の前半で有力な説は、火星と木星のあいだに存在していたとされる、ミネルヴァという惑星の人間だというもの。すでに破壊されて、石ころになって宇宙をさまよっている。
そのころ、木星の衛星で巨大な宇宙船が発見される。氷の下で眠っていたもの。もしやチャーリーに関するものかと思いきや、発見された乗組員の遺体は巨人だった。地球人とはまったく違う進化を遂げている。そしてさらに驚くことがわかった。
発見された宇宙船は、5万年前の人間であるチャーリーとは関係なかった。なぜならその宇宙船は2500万年前のものだったから。
だけどその巨人とチャーリーは無関係ではない。さらに地球人とも密接なつながりがある。そのつなぎ役となるのが、チャーリーの発見された『月』だった。そして衝撃の事実が明らかになる。もう絶対にぶっ飛ぶよ〜〜!
これほど興奮したSF小説を読んだのは久しぶり。あまりに興奮して、まだ読んでいない妻に思い切りネタバレしてしまった。この物語には続編がある。そうだろう。終わり方が意味深だったから、全部で4部作になっているようなので、すべて読破するつもり。
チャーリーの正体を知りたい人は、ぜひ読んでほしい。映画の『2001年宇宙の旅』や、『ブレードランナー』が好きな人なら、絶対面白いはず。早く続編が読みたくてウズウズしている。
『高羽そら作品リスト』を作りました。出版済みの作品を一覧していただけます。こちらからどうぞ。