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高羽そらさんインタビュー

SOLA TODAY Vol.324

我が家のマンションのとなりは、高校生と中学生が住んでいる。いつも大変だなぁ、と思うのが塾の送り迎え。午後9時半を過ぎたころに母親が部屋を出て、午後10時過ぎに子供を連れて帰ってくる。

 

ボクが子供のころは塾の存在さえ知らなかった。小学校を卒業したときに私立中学へ進学した同級生がいるのを知り、ずっと塾へ通っていたことを初めて聞かされた。それでもそんな子供は少数派で、習い事といえばそろばんや習字が主流だった。

 

でも現代は塾に行っていることが普通になっている。ボク自身も25年ほど前に塾業界にいたことがあるので、少しは事情を理解している。勉強ができない子供であれ、よくできる子供であれ、ニーズに応じた塾に通うのが当たり前になっている。つまり余分にお金がかかるということ。

 

そんなお金と教育について考察された記事がある。

 

「親が貧しい子」は勉強でどれだけ不利なのか

 

なんとも生々しいタイトルだけれど、かなり真理をついている。なかなか興味深い記事だった。

 

ボクが住んでいる神戸市のとなり町に、日本でも有名な進学校がある。灘中学、灘高校だ。卒業生のほとんどが東大や京大に進学するのは当たり前で、社会に出ると学者、あるいは官僚や大企業の経営者等となってその実力を発揮している。

 

灘高校生の80%は灘中学からの進学なので、ほとんどの子供が小学生のときに受験している。一部には高校受験で入学した子供もいるだろうけれど、灘高校生に受験前の塾に関するアンケートを行った結果が面白い。

 

回答した高校生の、なんと100%が塾に通っていた。要するに学校の勉強だけでは、灘中学、灘高校に入学できないということ。そのうち過半数が3年以上塾に通っていて、4〜6年という子供も20%ほどいた。

 

もっと驚く事実がある。灘高校生の80%が今も塾に通っている。日本でもトップクラスの進学校に通いながらも、まだ放課後に塾で勉強する。この記事の著者は灘高校の卒業生だけれど、50年前では考えられなかったことらしい。

 

親の立場でこの事実を見ると、子供がいないボクでも多額の金銭が必要になることがわかる。志望校に入学するために何年も塾に通わせ、目指す学校に入学できたのに、さらに塾通いが続く。結局は大学に入学するまでは、通っている学校以外の費用が必要だということ。わけのわからないことになっている。

 

親の年収と小学校6年生のテストの点数を比較したグラフが、この記事で紹介されている。想像できると思うけれど、ここには明らかな格差が存在する。親の年収が200万円未満の子供と、1500万円以上との子供では、テストの点数として20点以上の差がついている。

 

勉強というものは個人の資質と努力によって差がつく。だけど両親の経済力も、現代社会においては見逃すことのできない要因になっている。この記事の統計によると、中学受験を予定している家族は、非受験家族の6倍もの金銭を塾に支出している。よほど天才的な頭脳を持っていない限り、親の収入の影響が出るのは避けられないのだろう。

 

これが現実なんだろうね。今や名門大学を卒業することが、以前に比べて価値を持たなくなってきたのは事実。ベンチャー企業の創業者で、大学を卒業していない人物は多い。だとしても、親としてはできる限りの教育を受けさせてやりたい。そうすれば必然的に塾の費用を捻出しなければいけない。

 

近い将来教育や経済に関して、想像もできなかったシフトが起きると思っている。だけど今すぐではない。だから当分は、この記事にあるような格差が存在し続けるのだろう。あまりにリアルな現実を見せつけられて、なんともいえない気分になった記事だった。

 

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高羽そら|たかはそら(作家、小説家)プロフィール

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高羽そら(たかはそら)
今後の目標:毎年1つの物語を完成させたいと思います。
生年月日:昭和37年5月10日
血液型:A型
出身地:京都市

【経歴】
1962年京都市生まれ。数年前に生活の拠点を神戸に移してから、体外離脱を経験するようになる。『夢で会える 体外離脱入門』(ハート出版)を2012年1月に出版。『ゼロの物語Ⅰ〜出会い〜』、『ゼロの物語Ⅱ〜7本の剣の守り手〜』、『ゼロの物語Ⅲ〜次元上昇〜』の3部作を、2013年7月〜12月にかけて、オフィスニグンニイバよりAmazonのKindleにて出版。現在も新たな物語を執筆中。

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