心がヒリヒリする
ここ数日はパソコントラブルに時間が取られて困っている。ボクのパソコンでとりあえず「I」と「E」のキーは反応するようになった。だけど、かなり長押しする必要があり、さらにおす位置がずれると反応しない。そうなると文章を書く勢いが止まってしまう。
そこで昨日の夜、外付けのキーボードを注文した。AmazonでMac専用のキーボードが格安であったので、とりあえずはそれで仕事をしのごうと思っている。
ベストなのは電源トラブルにみまわれている妻のパソコンが復活すること。昨日の修理店の話だと、簡易調査ではハードに問題がないとのこと。そこで今日、Mac OSを再インストールしてみた。
そして今、そのパソコンでブログを書いている。いつ電源が落ちるかも、と思いながらドキドキしている。なぜなら症状が改善しているかどうか微妙だから。
元々の兆候は、スリープ状態で電源が落ちてしまう状態から始まった。それも普通には起動しない。SMCリセットをかけないとパソコンが起きてくれないという状況。そのうち昨日のように、作業中に電源が落ちるようになった。
今のところ昨日のように途中で電源が落ちることはない。だけど先ほどスリープから立ち上げると、同じトラブルが発生していた。とりあえず電源さえ落ちなければ使用できるので、このままでキープしてくれたら非常に助かるんだけれどね。
最新のOSなので、明日は購入当時のOSを再インストールしてみるつもり。もしかすると最新版と相性が悪い可能性もあるからね。ここまで約600字は、電源が落ちずに書けた(汗)
さて、今日の本題。とても素晴らしい小説を読んだ。
『Nのために』湊かなえ 著という本。
いつも驚く構成で小説を書く湊さんだけれど、これも本当に素晴らしい。とある高級マンションで40代の夫と20代の妻の遺体が見つかる。その現場に居合わせた人物の事情聴取から物語がスタートする。
つまり警察に訊かれたことについて答えているわけで、事実を語っているわけではない。とりあえず登場人物の立ち位置がわかるようになっている。
主人公は杉下希美という女子大生、西崎真人という大学生、そして成瀬慎司という大学生。杉下と西崎は「野バラ荘」というアパートの住人で、成瀬は杉下の幼なじみ。もう一人絡んでくるのが安藤望という元「野バラ荘」の住人である社会人。
この4人の姓名のどこかに必ず『N』の文字がある。だから『Nのために』というタイトルになっている。
一般的な状況だけを言えば、殺された妻と不倫関係だった西崎が、妻を連れ出そうとした。そのことに激怒した夫が妻を刺し、それを知った西崎が夫を殺害したということになっている。そして西崎は懲役刑を受ける。
ところが事実はちがう。そのことは世間に明かされることはない。その事実は、書く人物が一人称によって語ることになる。これが湊かなえさんの構成の素晴らしさ。本人語りによって真実が少しずつ明らかにされていくという手法。
湊さんの名作である『告白』にも通じたところがあるよね。とにかく心がヒリヒリする。彼女の書く小説はいつもそう。人間の心の奥深くの傷に塩をすり込むような文章だから。ひりついて仕方ない。すごく辛くなるけれど、読まずにいられない。なんて素晴らしい作家なんだろう。
この作品は2014年にドラマ化されているとのこと。もし知っていたら、ぜひ見たかったなぁ。キャストを見ているとかなり期待できる。
ということで真実を知りたい人は、ぜひ読んでほしい。愛のために人を殺そうとした人間を、愛のために傷つけられてきた人間が必死で守るという、壮絶な物語の真相に触れることができるはず。そして心がヒリヒリして、自分の人生を見つめ直すことができると思う。そんな素敵な作品だった。
わぁ、最後まで電源が落ちずに書けた! あ〜、心がヒリヒリして大変だったわ〜www
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