創作にゴールは無い
いや〜、マジで涼しい。神戸はすっかり秋の空気になった。久しぶりに六甲山系から六甲おろしが我が家を訪問してくれている。
朝のうちは雲も残っていたけれど、午後からの乾いた強風の影響で、バルコニーの向こうは見渡す限り青空が広がっている。
さて、昨日は『ゼロの物語』改訂版について告知させていただいたが、ブログ更新後に新たに明らかになった電子書籍店のリンクがこちら。
hontoの『改訂版』
第1部はこちら
第2部はこちら
第3部はこちら
また新しいリンク先が判明次第に告知する予定なので、よろしくお願いします。
昨日も書いたけれど、4月から6月にかけて書くつもりだった新作を先延ばしにして、『ゼロの物語』のリライトに取り組んでいた。とにかく2013年当時のボクの文章には呆れるばかりwww
無知ほど怖いことはないよね。よくあんな文章で、人に読んでもらおうなんって思ったものだ。マジで穴があったら入りたかった。それでもその当時は、それが精一杯だった。文章技術なんて、そんなものかもしれない。
毎日大量に読んで、限界いっぱい書くことで、4年後にようやく自分の未熟さに気づけたのだと思う。その当時に教えられても、おそらく理解できないことばかりだろう。結局は七転八倒してもがくことが大切だと感じている。
そしてあるエリアまでクリアすると、次のステージが見えてくる。不思議なもので、そこまで至ると出会う本がある。よくスピリチュアルな世界で言われることだけれど、弟子の準備ができたら師匠が現れる、と感じる本を読んだ。
『創作の極意と掟』筒井康隆 著という本。
いわゆるエッセイなんだけれど、筒井さんが自分のあとに続く作家に送る遺言として書かれたもの。つまりプロの作家、あるいはプロを目指している作家を対象にしておられる。
筒井さんといえば、わたしの大好きな作家。ボクの中学生と高校生時代は、筒井康隆さんと太宰治さんの小説しか読んでいなかったような気がするくらい、文庫本をせっせと買い込んで読んでいた。
ボクが好きな筒井作品は、『時をかける少女』のようなメジャーなものよりも、マニアックなSFものだった。かといってそんなに堅苦しいものじゃなく、お腹を抱えて笑い転げてしまうような作品。
腸捻転を起こした人の腸がメビウスの輪のようになっていて、ウンチが異次元にいってしまう。だけどある日それが戻って、自宅が大量のウンチでつぶれてしまう小説なんて、今思い出しても爆笑してしまう。
そんな筒井さんが書かれた極意は、めちゃめちゃ勉強になった。今のボクが悩んでいたことについて、明確な答えが書かれていた。やはり読むべき時期というものがあるんだろうね。
同時に、まだ理解できないことも多々あった。ボクの経験が足りないということだろう。要するに創作ということに関してゴールなんてなく、生きている限り学び続けることが必要なのだと思う。この本を読んでいると、自分の勉強不足を痛感させられる。
とにかく筒井さんが例としてあげられている作品の多さに圧倒された。同志社大学の文学部出身だとはいえ、これほど小説を読み込んでいる人はそうそういないだろうと思う。とにかく洋の東西を問わず、あらゆる作家の作品を読み込まれている。
まだまだ読書量が足りない、と思い知らされた。今は2日に1冊のペースだけれど、もっと増やさなければ。自分が読み込んだものに対応することしか、書けないというのは事実だと実感している。日々の仕事についてのモチベーションを、バンバンに刺激してもらえた本だった。
『ゼロの物語』改訂版の配信サイトについては、こちらに一覧を設けています。登録されている電子書籍店でお求めください。
『高羽そら作品リスト』を作りました。出版済みの作品を一覧していただけます。こちらからどうぞ。
コメント (0件)
現在、この記事へのトラックバックは受け付けていません。
コメントする