そんなん、あかんやん
なんちゅうブログのタイトルやねん。だけど今日はそんな気分。
毎日新作の小説を書いている。それで昨日から、27年前に起きた殺人事件を解決させる方法をずっと考えていた。とにかく証拠が必要となる。
昨日の就寝前にそのことがどうしても気になり、結局午前1時ころまで調べることになってしまった。それでようやく解決方法のヒントを発見。今日の午前中にさらに詳しく調べて、文章にできるめどが立った。
ところが午後から書いていると、ちょっと気になることが。そこで致命的な欠陥に気がついた。たった5年だけれど、計算をまちがっている。
2010年に殺人事件の時効がなくなったのを知っている人は多いだろう。今の日本において、殺人事件を起こすと死ぬまで警察から追われることになる。だけどその法律施行時点で時効が成立している事件は適用されない。
そう、ボクが書こうとしていた事件は、2005年に公訴時効が成立していたことになるんだよね。
そんなん、あかんやん。
これじゃストーリーが破綻しちゃうので、設定の変更をしなくては。まだ初稿の段階なのでよかった。完成させてから気がついたら、かなりショックだものね。
今日はどうもそんな日らしく、午後から観た映画も「そんなん、あかんやん」と思わず叫んでしまった。
『チャイナタウン』という1974年のアメリカ映画。写真にあるとおり、ジャック・ニコルソンとフェイ・ダナウェイが共演している。この時代の映画らしく、少しテンポの悪さを感じたけれど、とても面白い映画だった。
元刑事である私立探偵のギテスをジャック・ニコルソンが演じている。水道局の局長の妻が、夫の浮気を疑って調査を依頼してきた。そこでギテスはその夫を尾行して、浮気現場の写真を撮影して妻に報告する。
ところがその写真が新聞社に流出してスキャンダルとなり、さらにその局長が溺死体で見つかる。ダムの建設が進められていたが、この水道局長は危険であると反対していた。つまり水道の利権がらみで、ダム推進派に命を狙われた可能性があった。
それ以上に驚いたのは、浮気調査を依頼した妻は偽物だった。そこで本当の妻のエヴリンは、ギテスを訴えようとする。その妻をフェイ。ダナウェイが演じている。
この事件に陰謀の匂いを感じたギテスは、エヴリンの協力を得て黒幕に迫る。ところがどっこい、この映画はハッピーエンドではない。この当時に流行していた『フィルム・ノワール』という作品らしく、誰にも逆らえない運命に翻弄される主人公を描くのが目的。
だからラストは唖然とする。黒幕は捕まらないし、ギテスは誤認逮捕されてしまう。さらに黒幕から逃げようとしたエヴリンは殺されてしまうという終わり方。
「そんなん、あかんやん」と、今日二度目になるセリフを吐いてしまった。まぁ、後味の悪いこと。映画館で見たら、誰もが沈んだ顔で劇場から出てきただろうね。だけど二人の名優の演技は見ごたえがあったので、とてもいい作品だと思う。映画を観てスッキリしたい人には、オススメしないけれどね。
物語を書くうえで、もっとも避けるべきなのは予定調和だろう。そのことはわかっているつもりだから、ボクも意識しているし、こういう作品が存在することもよくわかる。でもボクは、やっぱりスッキリしたい。
だからこそ、予定ではない調和を書きたいと思っている。なかなか難しいけれどね〜!
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