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高羽そらさんインタビュー

いやもう、かっこよすぎ

少し雲が多いけれど、今日もいい天気。11月3日は「晴れの特異日」だから、やはり雨は降らないようだね。

 

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自宅バルコニーから見える大阪湾は、少しもやっているけれど綺麗だった。よく見るとわかるけれど、対岸に大阪のビル街がうっすらと見えている。

 

まさにここから見えている景色が舞台になった小説を読んだ。

 

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『村上海賊の娘』下巻 和田竜 著という本。先日の上巻に続いて、ようやく下巻を読了した。下巻は上巻よりもさらに長く、ほぼ500ページという大作だった。だけど面白いから、読み出すと止まらない。

 

上巻のときにも少し書いたけれど、この物語は村上海賊という瀬戸内海を拠点にしていた海賊たちの活躍を描いたもの。主人公は村上景という、海賊を仕切っている村上武吉の娘。

 

1576年(天正4年)に起きた、「第一次木津川口の戦い」という毛利氏と織田氏の戦いが物語の中心になっている。織田信長は大坂の本願寺(現在の大阪城があるあたり)に立て篭もった一向宗の門徒たちを兵糧攻めにしていた。各地で一向一揆を起こし、戦国武将が手を焼いていた集団たちだった。

 

そんな本願寺に唯一兵糧を入れられるのは、大阪湾から木津川の河口を通じたルートだけ。そこで織田とにらみ合っていた毛利氏に、本願寺の顕如は助けを求める。毛利氏にとって兵糧を送ることは、織田氏に宣戦布告することになる。

 

毛利氏はかなり悩むが、最終的に上杉謙信が背後から織田を狙うことを期待して戦うことを決意する。そこで毛利氏の要請を受けた村上海賊が、10万石の兵糧を乗せて大坂湾に向かった。対するのは岸和田等で活躍する泉州の海賊たち。

 

その海戦の舞台が淡路島と大坂との中間にあたるところで、先ほどの写真の場所。激戦のすえ毛利氏が勝利して、本願寺に兵糧は届けられる。この結果、織田信長が本願寺を制圧するのが数年先に伸びてしまった。

 

詳細は割愛するけれど、とにかく登場する海賊や武将が、めちゃめちゃかっこいい。ボクはかなり戦国時代の武将に詳しいほうだけれど、この海賊たちの存在をあまり知らなかった。彼らはその後も武将として活躍していて、関ヶ原の戦いを生き残り、江戸幕府に仕えた者もいる。

 

もちろん主人公の村上景という女性が圧倒的にかっこいいんだけれど、それ以外の武将たちも惚れ惚れする。なんといっても根が明るい。特に泉州の海賊たちは、ノリがもろに関西人。命のやり取りをしているのに、まるで漫才をしているかのようにボケとツッコミが入る。

 

おそらく関西人の本質なんだろうねw   そしてそれだけじゃなく、めちゃめちゃ強い。陸上の戦いとはまったくちがって、海戦という特殊な世界を目の前で見たかのように知ることができた。著者は相当勉強されたと想像する。並大抵の努力じゃないだろう。

 

このときは毛利が勝利したけれど、数年後には九鬼水軍を率いた織田方に破れている。結果的に大坂本願寺は信長に明け渡される。そのときに顕如とその息子が対立して、現在の京都にあるように、東本願寺と西本願寺に分裂した。

 

歴史というものは、客観的事実だけを勉強することができる。だけどそれではちっとも面白くないし、興味が持てない。でも時代小説を通じて武将の『人』としての部分に触れると、一気に興味が湧いてくる。

 

ボクはこの小説を読んで、そんな素敵な出会いができたと思っている。毎日朝食を食べながらながめている海上で、はるか昔に彼らはさっそうと潮風を全身に受けていたんだよね。

 

豊臣秀吉が天下をとったことで、「海賊停止令」が出された。だからこの物語は、海賊たちが最後に見せた勇姿なんだと思う。一抹の切なさを感じるとともに、時代に翻弄された彼らの汗と血と涙が、今もこの海にそのまま残されているような気がする。

 

decoration/dcr_emoji_238.gif『高羽そら作品リスト』を作りました。出版済みの作品を一覧していただけます。こちらからどうぞ。

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高羽そら|たかはそら(作家、小説家)プロフィール

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高羽そら(たかはそら)
今後の目標:毎年1つの物語を完成させたいと思います。
生年月日:昭和37年5月10日
血液型:A型
出身地:京都市

【経歴】
1962年京都市生まれ。数年前に生活の拠点を神戸に移してから、体外離脱を経験するようになる。『夢で会える 体外離脱入門』(ハート出版)を2012年1月に出版。『ゼロの物語Ⅰ〜出会い〜』、『ゼロの物語Ⅱ〜7本の剣の守り手〜』、『ゼロの物語Ⅲ〜次元上昇〜』の3部作を、2013年7月〜12月にかけて、オフィスニグンニイバよりAmazonのKindleにて出版。現在も新たな物語を執筆中。

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