やっぱすごい『シン・ゴジラ』
昨年の冬至に仕事を365日続けると公言してから、残り1ヶ月を切った。体調が悪かったり、落ち込んで気分が乗らないときもあったけれど、今のところ継続している。来月の冬至まで意識不明にでもならない限り大丈夫だろうw
先日から今年の春に完成させた小説のリライトに入っているけれど、完全に最初の設定が変わりつつある。こりゃ最終選考に残らんわ、と感じるアラが目につくので、書き直さざるをえない。自分の力不足を存分に感じさせてもらっている。まだまだやねぇ。
この欠点が半年前のボクには見つけられなかったということ。情けないなと思いながらも、当時より今は進歩しているのだろうと納得している。自分の作品というのは思い入れがあるから、どうしても客観的な視点を持ちにくい。我が子は、誰がどう言っても可愛いからね。
だけど時間を置いて客観的な視点を持てるようになると、著者としてではなく読者としての目で読むことができる。本当は書きながらそういう視点を持てればいいんだけれど、そのあたりがボクの課題なんだろう。意識しつつ、改善していくしかない。
そんなリメイク的な作品で、めちゃめちゃ面白い映画を観た。もちろん純然たる新作なんだけれど、これまで大勢の人がこの存在を映画にしようと奮闘してきた。そうした過去の作品のなかでも、最高の出来だと思う。
『シン・ゴジラ』という2016年の日本映画。映画館に行きたいと思いつつ、見逃してしまった作品。先日の地上波初放送を録画して、ようやく観ることができた。これはマジですごい映画だった。先ほども書いたけれど、『ゴジラ映画』の最高峰と言っていい。
ボクはゴジラ世代と言っていい年代。モノクロだった最初のゴジラは幼かったけれど、ゴジラ映画が量産されていた時代の作品は、小学生のころからすべて映画館で観ている。夏休みや冬休みになると、映画館のチケット売り場から歩道まで伸びる長い列に根気よく並んだものだ。
ゴジラは作品によって顔も変化しているし、キャラも時代によってちがう。子供だましの『吹き出し』がついて、ゴジラと他の怪獣が会話するような作品まであった。子供心にもシラケながら、ゴジラが好きなので真剣に観ていた。
さらに海外でもゴジラは人気で、2014年にもハリウッドで最新盤のゴジラがリメイクされている。でも外国映画のゴジラは、ゴジラじゃない。そんな鬱々とした不満を、この映画が吹き飛ばしてくれたと思う。これは子供映画ではなく、完全に大人をターゲットにした作品だよね。
語りたいことはいくつもあるけれど、すでにネットで語り尽くされているのでやめておく。とにかくゴジラだけでなく、政府の対応、自衛隊の活躍等、徹底したリアリティの追求に心から拍手をしたい。まるでドキュメントを観ている気分だった。
うれしかったのは、アレンジが変えてあっても、ゴジラ登場の音楽が使われていたこと。あれがなければゴジラじゃない。『スターウォーズ』でダースベイダーが登場したときに、彼のテーマ音楽が流れないとしたら最悪な気分になるのと同じ感覚。
この映画のゴジラに悪意はない。ただ生きて、歩いているだけ。攻撃されたら反撃するのは、生物として当然のこと。だからこそ切ないものを感じる。でもこのゴジラは死んでいないよね? 新であり、真でもあり、そして神でもある『シン・ゴジラ』だからね。
これは現代におけるゴジラ映画だと思う。だからこそゴジラを死なしてはいけない。10年後、そして20年後、いや100年後の世界にもゴジラは復活して欲しいから。ゴジラが象徴しているのは、その時代特有のものだろう。だからこそゴジラは、世代を超えて愛されているのだと思う。噂どおり、最高の映画だった!
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