ドイツ人は傘を持たない
昨日は寝不足だったので、マジで効率が悪かった。睡眠が足りていないと、文章を書いても読んでも、どこか雑になってしまう。
昨晩は暴風から解放されたので、ぐっすりと眠ることができた。だから今日は仕事や情報収集を快調にこなしている。ボクは眠りが浅いので、ある程度の睡眠時間を確保しないと辛い。90分単位で夢を見て目が覚めるというパターンを、一晩中くり返しているんだからね。困った体質だよなぁ。
若手の研究者で有名な落合陽一さんは、平均睡眠時間が3時間ほどのショートスリーパーらしい。ボクもその睡眠時間で快調に過ごせたら1日の時間を有効に使えそうだけれど、絶対に無理だと断言できる。おそらく3日でダウンするだろうねw
自分にぴったりの睡眠量を確保して、残された時間を有効活用するしかないよね。今日もそんな時間のやりくりで映画を観た。
『遠すぎた橋』(原題:A Bridge Too Far)という1977年のイギリス、アメリカの合作映画。第二次世界大戦のヨーロッパで、実際に行われたマーケット・ガーデン作戦を描いた戦争映画。
この作戦はドイツに勝利した連合軍の作戦のなかで、「最大の汚点」と称された失敗作戦だったらしい。時代は1944年だから、ほぼドイツを追い詰めている。舞台はオランダで、一気にドイツ軍をオランダから追い出そうとした作戦だった。そして1944年中に戦争を終わらせようとした。
どこかで上部の人間はあせっていたんだろうね。マズい情報がいくつかあったのに、将校たちは作戦を強行した。最初にその部分をチェックしておけば、もっと早く戦争が終わっていたかもしれない。
3つの橋を確保して、進軍のための陸路を確保する作戦だった。ところが最後の橋を目の前にして撤退するしかない状況になってしまう。作戦失敗の責任を問い詰められた将軍が平然と言うセリフがある。
「あの橋は遠すぎた」
これが映画のタイトルになっている。結果的に作戦に参加した大勢の兵士を死なせてしまった。この映画のいいところは、決してドイツ軍を悪者扱いしていないところ。戦争という非常事態に追い込まれた人間たちの、異常な心理状態が見事に描かれている。
ボクがすごいと思ったのが、迫力ある戦闘シーン。今ならCGでリアリティを高めることはできるだろうけれど、この当時は大変だったと思う。作戦実行で輸送機が一斉に飛び立つシーンなんか、観ていて鳥肌が立った。
もうひとつうれしかったのは、ドイツ人はドイツ語、オランダ人はオランダ語を話していたこと。ハリウッド映画にありがちなのが、舞台がドイツやフランスなのに、誰もが英語で話しているという妙な違和感。それがないのがとても良かった。
そして何より、出演している俳優陣がすごすぎる。この当時のメジャーな男優を総なめしたようなキャストだった。
ショーン・コネリー、マイケル・ケイン。
アンソニー・ホプキンス、ジーン・ハックマン。
ライアン・オニール、ロバート・レッドフォード。
ジェームズ・カーン、ローレンス・オリヴィエ、という豪華な顔ぶれ。
そして監督のリチャード・アッテンボローも、精神病患者役でカメオ出演している。
初めて観た映画だけれど、3時間近くあるのを感じないほど面白い作品だった。とても心に残っているセリフがある。
いつも雨傘を手にしている若いイギリス軍の兵士がいた。その兵士が亡くなる直前、指揮官がなぜいつも雨傘を持っているのか尋ねるシーンがある。その兵士は、いつも合言葉を忘れてしまうから、困らないために傘を持っていると言う。
「ドイツ人は傘を持たない。だから傘を持っているとイギリス人だとわかってもらえるでしょう?」というようなことを語る。なんだかいいセリフだよね〜!
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