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高羽そらさんインタビュー

『執着』が物事の流れを止める

今日もめちゃ寒い。部屋のなかで仕事をしているのに、キーボードを打つ指がかじかんでくる。暖房が追いつかないんだよね。

 

仕事を終えて少し休憩してから、このブログを書こうとiPhoneのイヤホンを耳につけたとたん、思わず飛び上がった。イヤホンがめちゃ冷たくなっていて、氷を耳に入れたような感覚だったから。

 

こんな寒い日の外出に欠かせないのが手袋。そんな手袋に関して、昨日は面白い経験をした。

 

いつもの買い物を済ませて、帰る前に図書館へ寄った。そして本を借りて図書館の階段を降りているとき、外に出たら冷たいので手袋をはめておこうと思った。ところがダッフルコートの右のポケットには手袋があったけれど、左のポケットに入れておいた左の手袋がない。

 

脱着するとき、どこかで落としたらしい。

 

待ち合わせしていた妻と合流して、そのことを言った。ボクはどうせ見つからないからと、諦め気分だった。でも妻が探しに行こうと言ってくれた。

 

だけど問題なのは、どこで落としたかの記憶がないということ。どれだけ思い出そうとしても、どの段階まで手袋をつけていたかわからない。普段は買い物の行き帰りの長距離を歩くときだけ手袋をつける。買い物の途中だと手がうまく使えないから。

 

だけど昨日は記録的な寒さだったから、店と店の移動中もつけているときがあった。その行為をほとんど無意識でやっていたから、いつ手袋をはめていて、いつ外していたか思い出せない。仕方ないので、朝からの行程を再現することにした。

 

1軒目のスーパーの道中と、その店内には見つからなかった。それで2軒目のスーパーに行こうとしたとき、突然記憶が戻った。ドラックストアでレジに並んでいるとき、手袋を外したことを思い出した。

 

それでドラックストアに行ったけれど、お店の人に聞いてもボクの手袋は届いてなかった。たしかにここで外したのになぁ、と思ったけれども仕方ない。それまでは必死で探そうとしていたけれど、ボクも妻もすっかり諦めた。とりあえず、やれることは全力でやった。

 

それでドラックストアを出て、別のビルとの連絡通路を歩いて帰路につこうとした。外に出たときボクも妻も、その手袋に対する『執着』が消えたのがわかった。完璧に手放したんだよね。

 

なんとその直後、妻が『あっ!」と言って、連絡通路の隅っこに視線を向けた。

 

そこにはポツンとさびしそうな様子で、置き去りにされているボクの左の手袋があった。

 

妻と二人で驚いたと同時に、笑いこけてしまった。だって二人同時に手袋に対する『執着』を手放したとたん、目の前にそのモノが出現したんだから。

 

「気持ちから手放したとたんに見つかったよね」と妻が言った。ボクもまったく同じことを思った。そして、とてつもなく素晴らしい洞察を得たような気がした。ある種の真理がそこにあったと思う。

 

何かを求めることは大切。自分の目標を設定して、そこに向かって全力を尽くす。求めるだけでなく、行動にすることは欠かせない。

 

そしてそれを引き寄せる『流れ』をスムーズに働かせるためには、ある段階で『執着』を手放すことが必要なんだと実感した。これだけやったんだからと納得することで、余計な『執着』を捨てるべきなんだと思う。

 

『執着』というのは川の流れを止める大きな石のようなもので、持ち続けていると自然な流れをせき止めてしまう。だから精一杯の行動をとったと自覚できたら、すぅっと手放すことが大切なんだろう。そうすると、求めていたものが流れに乗って動き出すんだと思う。

 

『人事を尽くして天命を待つ』という言葉は、まさにこの境地を言うんだろうね。去年ボクがある文芸賞の最終選考に残ったとき、その段階で『執着』を手放すことができなかった。次の仕事に神経を注ぎつつ、どこかで心を残していた。だから流れを止めてしまったのかもしれないなぁ。

 

たかが手袋の落し物なんだけれど、とても大切なことを実地体験させてもらったような気がする。あの左の手袋、きっと一人で待っているあいだは不安だったろうな。まだまだ使えるので、大切にしてやろうと思っている。だって素敵なことを、自分の身体を張って教えてくれたからね。

 

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高羽そら|たかはそら(作家、小説家)プロフィール

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高羽そら(たかはそら)
今後の目標:毎年1つの物語を完成させたいと思います。
生年月日:昭和37年5月10日
血液型:A型
出身地:京都市

【経歴】
1962年京都市生まれ。数年前に生活の拠点を神戸に移してから、体外離脱を経験するようになる。『夢で会える 体外離脱入門』(ハート出版)を2012年1月に出版。『ゼロの物語Ⅰ〜出会い〜』、『ゼロの物語Ⅱ〜7本の剣の守り手〜』、『ゼロの物語Ⅲ〜次元上昇〜』の3部作を、2013年7月〜12月にかけて、オフィスニグンニイバよりAmazonのKindleにて出版。現在も新たな物語を執筆中。

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