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高羽そらさんインタビュー

天才が見ている世界

今日の神戸は大荒れ。全国的にそうなのかな?

 

雨雲の動きをスマホで確認しつつ、午前中になんとか隙間をぬって買い物に出かけた。その成果があって、行き帰りとも傘をさした時間はわずかですんだ。

 

だけど問題は雨ではなく、強烈な風。ずっと台風かと思うような暴風が吹き荒れていて、少しの雨なのに傘が船の帆のようになってしまう。後方からの風ならいいけれど、向かい風で歩いているときは前に進めなかった。

 

午後から仕事をしながら外の様子を見ている。このブログを書いている午後4時半ころでも、外は横殴りの雨。帰宅中の小学生たちは大変だろうな。

 

さて、かなり感動する映画を観た。それだけでなく、ボクはこの映画の仕掛けに見事にだまされた。

 

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『ビューティフル・マインド』という2001年のアメリカ映画。当時のアカデミー賞やゴールデングローブ賞を総なめした作品だけれど、恥ずかしながら未見だった。

 

ノーベル経済学賞の受賞者である、ジョン・ナッシュという天才数学者の人生を描いた作品。写真で見てのとおり、ジョンをラッセル・クロウ、そして妻のアリシアをジェニファー・コネリーが演じている。

 

映画の始まりはジョンが大学院に進学したところで、ラストは1994年に66歳でノーベル賞を受賞するシーンで終わる。とてもよくできた作品で、感動の涙なしでは見られない。特にラッセル・クロウの演技には鳥肌が立った。ボクが今まで見た彼の作品で、おそらく最高の演技だと思う。

 

プリンストン大学の大学院在学中に、ゲーム理論という論文を発表する。数学者であるジョンだけれど、その理論は学問の分野を超越して、結果としてノーベル経済学賞を受賞するという研究だった。

 

博士号を取ってからも、著名な数学者として暗号解読に素晴らしい才能を見せている。ところがある日、エド・ハリスが演じるパーチャーとう国防省の人間が現れて、冷戦中のソ連の暗号を解読するように依頼する。アメリカ国内に潜り込んだスパイが、核兵器を使用する疑いがあるらしい。つまりスパイとして極秘に活動してほしいとのこと。

 

ところがそのスパイ行為がソ連に知られて、ジョンは命を狙われる。結婚して妊娠したばかりの妻を巻き添いにしてはいけない。ほとんど被害妄想のようになり、妻を妹の家に避難させる。

 

ところが……。

 

そのパーチャーという人物は、ジョンの妄想だった。それどころじゃない。大学院時代の親友だったチャールズも、その姪っ子も幻想の存在だった。ジョンはリーマン理論という数学の難題を解くために極端なストレスを受け、統合失調症を発症していた。

 

もうびっくり。本当にスパイ行為に加担していたと思っていた。素晴らしいルームメイトに恵まれて、幸せな大学院生活だと思っていた。それらがすべて、幻想だったという映画の設定。完全にだまされた。

 

同じパターンで引っかかったのは、『シャッター・アイランド』というレオナルド・ディカプリオが主演した映画。『シャッター・アイランド』ほどのショックはなかったけれど、完全にやられてしまった。

 

実在のジョンが病気を患っていたのは事実で、何度も入院生活を送っている。だけど妻はそんな夫を見離さず、社会復帰できるように支える。そして教授職に復活したジョンは、やがてノーベル賞を受賞することになる。

 

この映画の興味深いところは、彼が薬での治療を拒否したこと。妻もそのことを最後は理解して、彼を支える。パーチャーやチャーリーという幻想の存在は、いつも現れてジョンを悩ませる。何度も話しかけて、彼を妄想の世界に引きずり込もうとする。

 

天才ゆえに、ジョンは精神を病んだのかもしれない。彼が見ている世界は理解できないけれど、この映画ではそこへ近づこうとしている。だからこそ、ジョンの苦悩が強烈に伝わってきた。

 

だけどジョンは、長い、とても長い時間をかけて、3人の存在を無視して生きるすべを身につける。妄想は消えないけれど、共存することをジョンは選ぶ。だからこそ、ラストシーンで泣いてしまう。

 

ノーベル賞の授賞式を終えたジョンが妻に迎えられる。ジョンが振り返ると、パーチャーがいる。そして年を取らないチャーリーと姪っ子もいる。まだ幻覚は消えていなかった。だけどその3人は、ジョンの受賞を祝うかのような表情で見つめている。なんだか胸が切なくなって、涙が止まらなかった。

 

妻役のジェニファーも素晴らしい演技だった。このころの彼女、マジでキュートだよね。

 

実話のジョンと妻は、一度離婚している。ジョンの病気が相当やばかったせいだろう。だけど同居人として彼の面倒を見るようになり、この映画が公開される2001年には再婚している。そして二人とも2015年に亡くなっている。

 

なぜ同じ2015年なのか?

 

ジョンがアーベル賞というものを受賞した帰り道、二人はタクシーに乗った。そのタクシーが事故を起こし、二人とも亡くなってしまったとのこと。悲しい出来事だけれど、最後の最後まで、二人は一緒だったんだね。

 

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高羽そら|たかはそら(作家、小説家)プロフィール

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高羽そら(たかはそら)
今後の目標:毎年1つの物語を完成させたいと思います。
生年月日:昭和37年5月10日
血液型:A型
出身地:京都市

【経歴】
1962年京都市生まれ。数年前に生活の拠点を神戸に移してから、体外離脱を経験するようになる。『夢で会える 体外離脱入門』(ハート出版)を2012年1月に出版。『ゼロの物語Ⅰ〜出会い〜』、『ゼロの物語Ⅱ〜7本の剣の守り手〜』、『ゼロの物語Ⅲ〜次元上昇〜』の3部作を、2013年7月〜12月にかけて、オフィスニグンニイバよりAmazonのKindleにて出版。現在も新たな物語を執筆中。

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