世界史のお勉強
神戸は午前中の早い時間帯まで雨が残っていたけれど、お昼前からいい天気。風がひんやりして気持ちいいので、とても過ごしやすい気候だった。
散歩していると、実をつけたばかりのサクランボを発見。ちょっと前まで桜の花が咲いていたのに、もうサクランボができているんだからね。あっという間に時間がすぎて行くような気がして、ちょっぴり気持ちがあせってしまう。
さてボクは日本史が大好き。だけど同じ歴史なのに、世界史が苦手だった。それは日本のような島国の単一民族とちがって、かなり複雑だから。生半可な知識では、ヨーロッパの歴史だけでも理解するのは難しい。
ところが最近になって、たまたま読んでいる本にナポレオンが登場した。もちろん名前は知っているけれど、実はあまりくわしくない。そこで意識して調べているときに、こんな映画を見つけた。
『ワーテルロー』という1970年のイタリア、ソ連の合作映画。ソ連というのが、時代を象徴しているよね。
世界史関連の記事を見ていると、よく目にするのが「ワーテルローの戦い」というもの。ロックの歌詞になっていたりもする。これまたボクは無知で、どんな戦争なのか知らなかった。
だけどこの映画を観て、しっかりと理解することができた。ナポレオンにとって、人生最後の戦いだったんだね。
この映画は1814年4月から始まる。圧倒的なカリスマ性と軍事力を有するナポレオンがヨーロッパを席巻して、フランスの皇帝となっていた。だけどロシア遠征に失敗してから、ジリジリと撤退が続いていた。
そこで皇帝の退位を迫られて、それを受け入れる。そしてブルボン王朝のルイ18世が実権を握り、ナポレオンはエルバ島への遠島処分となる。だけどフランスの民衆はブルボン王朝に不満を持っていた。そこでナポレオンは近衛兵とともにエルバ島を脱走する。
ルイ18世はナポレオンの追討を軍に命じるが、ことごとく兵士はナポレオンに合流する。そのままパリまで行進して、ルイ18世は追い出されてしまった。ナポレオンという怪物が復活した瞬間だった。
当然、周囲の諸国はフランスに宣戦布告をする。その決戦となったのがワーテルローの戦いだった。ナポレオンに立ちふさがったのが、ライバルであるイギリスのウェリントン公。
なんとこのウェリントン公を、若きに日のクリストファー・プラマーが演じている。ボクの大好きな俳優さんだったので、思わずイギリスを応援してしまった。だってメチャメチャかっこいいんだからね。
結論としては、雨の影響で攻撃のスタートが遅れたのと、ナポレオンの指示を受けたグルーシー元帥がプロイセン軍を追い詰めることができなくて、ナポレオンは負けてしまう。
歴史に「もしも」はないけれど、もし前日に晴れていたら、そしてプロイセン軍の動きを封じていたら、ナポレオンが余裕で勝利していた。そうなると、大きく歴史が変わってしまった。このワーテルローの戦いが、ヨーロッパの歴史を語るうえで欠かせない理由がよくわかった。
このイギリス軍の勝利のパターンを、どこかで見たことがある。もうダメだと思ったとき、プロイセン軍がかけつけて逆転勝利をする。しばらく考えていて、ようやく気づいた。
それは『ロード・オブ・ザ・リング』という物語。この小説は３部作だけれど、それぞれの戦いでこのパターンが使われている。もしかすると作者のトールキンは、このワーテルローの戦いを参考にしたのかな？ そんなことを感じてしまった。
映画を通じて歴史を勉強すると、その時代に入るきっかけになると思う。大河ドラマや時代小説も、同じ効果があるだろう。とてもいい勉強になった。
『高羽そら作品リスト』を作りました。出版済みの作品を一覧していただけます。こちらからどうぞ。
