洗脳の恐怖
ツイートにも書いたけれど、大雨が収束する気配はまったくない。今日は外出する日だったけれど、自宅に引きこもった。とてもじゃないけれど、買い物のためだけに外出する気にならない。このままだと明日も引きこもりになるかも。
JR神戸線は、始発から快速と新快速の運転を見合わせている。阪急電車は午後1時すぎに神戸線が全面運行停止になった。阪神や京阪電車は普通に動いているらしい。だけど今後の雨の状況次第では、運行に影響が出てくるかもしれない。
水による死者も出ている。確認していないけれど、近くの都賀川や石屋川は相当増水していると思う。明日いっぱいは雨の予報なので、気をつけるしかない。大きな被害が出ないことを祈っている。
そんな雨のニュースを確認しようとすると、目に入ってくるのがオウム真理教幹部の死刑執行記事。1度に7人の執行というのは、かなり異例だろう。事件が起きたときボクはまだ30代前半で、京都祇園の芸舞妓事務所で働いていた。
地下鉄サリン事件が起きたのは、春の『都をどり』の準備をしているころで、歌舞練場のスタッフたちがテレビを見て大騒ぎをしていたのを覚えている。あれから23年も経ったんだね。事件関係者たちは、複雑な想いで今日の死刑を知ったことだろう。
この当時話題になったのは、『洗脳』という言葉。宗教団体がらみの事件が起きると、この言葉が新聞やテレビに飛び交っていた。
たまたま偶然なんだけれど、そんな『洗脳』の恐怖を描いた映画を観た。
『影なき狙撃者』(原題: The Manchurian Candidate))という1962年のアメリカ映画。
映画は朝鮮戦争のシーンで始まる。偵察隊の一部隊が、敵の策略にはまって捕虜になってしまう。そのメンバーは洗脳の実験台にされたうえで、解放される。
だが彼らが解放された真意は、レイモンド・ショートいう狙撃の名手をアメリカ本土に送り返し、アメリカ国内で暗殺者として利用するためだった。レイモンドは命をかけて仲間を救出したヒーローとして迎えられ、特別な勲章を受ける。だがそれは、すべてソ連と中国によって仕組まれたものだった。
上官であるマーコ大尉は、本当は大嫌いだったレイモンドを、人格者であると話すことで勲章を受けられるよう推薦した。それは彼も記憶の一部を消されて洗脳されていたから、だがアメリカに戻ってから、悪夢に悩まされる。それは他の兵士も同じだった。
その悪夢とは、レイモンドが洗脳のテストで二人の兵士を殺している夢だった。その二人は逃亡する際に戦死したと報告されている。マーコ大尉は、やがてそれが夢ではなく現実だったと気づく。
マーコはどうにかしてレイモンドの洗脳を解こうとするけれど、うまくいかない。そして大統領候補が演説する党大会の会場に、ライフルを持ったレイモンドがやってくる。緊迫するラストで、意外な結末を迎えることになる。予想はしていたけれど、悲しいながらも頷けるエンディングだった。
気になったのは、正気のレイモンドにスイッチが入るアイテム。トランプなんだけれど、ちょっとそれがチャチな印象だった。2004年にデンゼル・ワシントンとメリル・ストリープの出演でリメイクされているので、そういう部分はもっと違う設定になっているかも。
細かい部分のツッコミどころはあるけれど、洗脳の恐怖は十分に伝わってきた。機会があれば、リメイクの作品も観たいと思っている。
『高羽そら作品リスト』を作りました。出版済みの作品を一覧していただけます。こちらからどうぞ。